優れたサーバーを見極めることは、必ずしも容易ではありません。今日では多種多様なサーバーが存在するため、どのサービスがサイトの要件に適しているのかを判断するのは時として困難です。
個人ブログや小さなお店のウェブサイトであれば、オンラインプレゼンスとスピードを確保できれば十分かもしれませんが、ECサイトのような直接収益を生み出すウェブサイトを稼働する場合は、サーバーの機能やツールを慎重に評価し、優れたパフォーマンス、セキュリティ、使いやすさを保証してくれるものを選択しなければなりません。
そこで今回は、複雑なECサイト管理の時間と労力を最小限に抑えながら、高度なタスクを実行するのに欠かせないサーバー機能とツールをご紹介します。
高度なタスクを素早くかつ簡単に実行できるというのは重要な点であり、サイトで急増するトラフィックを処理しなければならない場合にはなおさらです。また、予算に限りがある中小企業や新興企業には、高度でありながらサクサク使えるツールが不可欠。経験豊富なエンジニアによるサイト移行や、ステージング環境のワンクリック作成などの高度な管理機能も大切です。
ECサイトにおける優れたサーバーの重要性
ビジネスサイト用に優れたサーバーを選択することは、以下のような側面から非常に重要です。
- サイトパフォーマンスを左右する─サイトの高速化に役立つインフラとサービスにより、ユーザー体験の提供とコンバージョンの向上を実現できます。
- 徹底したセキュリティ対策─堅牢なセキュリティ機能の実装により、サイバー攻撃からサイトを守り、顧客情報とブランドの評判を保護します。
- サイト管理の効率化─WordPressに特化したサーバーはサイト管理を簡素化してくれるため、設定やトラブルシューティングにかける時間とリソースを削減できます。
関連して、WordPress ECサイトの高速化とECサイトのセキュリティ対策もご覧ください。
WordPressに特化したサーバー設定
WordPressサイトにサーバーを選ぶ際には、まずサーバー設定からチェックすることをおすすめします。WordPressとWooCommerce向けに最適化されたサーバーを使用することには、パフォーマンスとセキュリティの面で多くの利点があり、サーバーとプラットフォームを自分で設定する必要もありません。
WordPressサイトまたはWooCommerceストアに適したサーバーを見つけるには、以下の点に注目してみてください。
- スクリプトの実行速度を向上させるPHP設定
- 一般的なECサイトの負荷をより良く処理するためのデータベース最適化
- WordPressとWooCommerceに特化した高度なキャッシュ設定
- コンテンツデリバリネットワーク(CDN)との統合
- ファイアウォールや侵入検知システムなどのセキュリティ対策の実装
- サイトの要件に応じて拡張可能な専用リソース(CPU、RAM、ディスク)
Kinstaのサーバー設定はWordPressとWooCommerceに最適化されています
WordPress/WooCommerceサイトに特化した完全な最適化を提供するサーバーは限られています。Kinstaでは、WordPressとWooCommerceに特化したマネージドクラウドサーバーとして、最先端の技術で最適化を施し、WordPressサイトのパフォーマンス、セキュリティ、使いやすさを最大化しています。
以下、ECサイトの最適化に欠かせないサーバー機能をご紹介します。
PHPの最適化
PHPは最新を含む複数のバージョンをサポートしています。公式にサポートされているすべてのバージョンと、サポートの終了した2つのバージョンから選択可能です。
広範なサポートにより、WordPressコア、テーマ、プラグイン間の互換性の問題に急いで対処する必要はなく、テーマとプラグインに適したPHPバージョンを使用することができます。また、バージョン変更は数回のクリックで完了します。
![Kinstaで使用できるPHPバージョン](https://kinsta.com/jp/wp-content/uploads/sites/6/2025/01/php-settings-version-change-1.png)
また、Opcacheは7.3以降のすべてのPHPバージョンで利用可能です。PHPファイルやスクリプトを処理する際、まずは機械が可読できるオペコードにコンパイルしなければなりません。OPcacheを使用すると変換されたオペコードを保存し、PHPが次に特定のファイルやスクリプトが必要になった際にコンパイルの処理を省略できるようになります。これにより、同じリクエストを複数回実行するのに必要な時間が大幅に短縮され、PHPのパフォーマンスが向上します。
さらに、メモリ制限や最大実行時間などのPHP設定の多くの側面を調整して、ウェブサイトの特定の要件に適合させることも可能です。
データベースの最適化
データベースの最適化は、ECサイトのパフォーマンスを改善するのに非常に重要です。データベースを適切に最適化することで、クエリ実行速度の向上、サーバー負荷の軽減、スケーラビリティの改善が実現されます。
Kinstaでは、オープンソースのリレーショナルデータベースMariaDBを採用しています。MariaDB/MySQL技術とそのInnoDBストレージエンジンは、データキャッシュを使用してクエリへの応答を高速化します。キャッシュはRAM(メモリ)の一部を使用しており、接続管理など他のデータベースの処理でも同様にRAMが使われます。
また、データベースの自動最適化も24時間稼動しており、WordPressサイトの重要なデータベースパラメータを最適化し、データベース効率を最大化するため、設定が継続的に調整されています。
設定が臨機応変に微調整されることで、不要なメモリを消費せず、データベースが予測される負荷に対応できるようになります。
キャッシュ設定
キャッシュは、ページ全体を何度もダウンロードすることなく、提供可能なリソースのコピーを保存するために使用されるメモリの一部です。訪問者がページをリクエストすると、サーバーはまずキャッシュにそのページのコピーがあるかどうかを確認します。コピーが見つかった場合は、ページ全体を再生成することなく、訪問者に迅速に配信します。
共用サーバーやキャッシュ管理機能を提供していないサーバーを利用する場合は、サードパーティのWordPressキャッシュプラグインをインストールすることができます。
![WordPressキャッシュプラグイン](https://kinsta.com/jp/wp-content/uploads/sites/6/2024/08/wp-plugin-cache.png)
WordPress/WooCommerceキャッシュをデフォルトでサポートしているサーバーを選ぶと、キャッシュプラグインをインストールする必要がないため、作業負担が劇的に軽減します。優れたサーバーであれば、最高のパフォーマンスを実現するためにサーバー上のキャッシュをあらかじめ最適化しているものです。
Kinstaでは、包括的なキャッシュ機能を組み込み、パフォーマンスの最大化と簡単なサイト管理を提供しています。またキャッシュ設定は、自社開発のコントロールパネル「MyKinsta」から必要に応じて簡単に調整可能です。
![MyKinstaでキャッシュの有効期限を変更](https://kinsta.com/jp/wp-content/uploads/sites/6/2024/08/mykinsta-change-cache-expiration.png)
Kinstaのキャッシュ機能の詳細はこちらをご覧ください。
Cloudflare CDNの統合
コンテンツデリバリネットワーク(CDN)は、画像、スクリプト、スタイルシートなどの静的リソースを保存するサーバーのネットワークで、地理的に最も近い場所から静的リソースをサイト訪問者に配信します。
CDNは通常、パフォーマンスとセキュリティを大幅に改善するため、ECサイトには欠かせません。
CloudflareのようなCDNサービスを購入し、自分で設定する場合は、静的ファイルへのリクエストをCDNサーバーに誘導するためのドメインのDNSの変更、配信ファイルの選択、キャッシュルール、ファイル圧縮、画像最適化、WAFなどの多数の設定が必要になります。
Kinstaのプランには、CloudflareエンタープライズレベルのCDNが追加料金なしで付帯するため、CDNに関する設定を行う必要は一切ありません。このCloudflare統合により、世界260+のPoPを誇るCDNに加えて、エッジキャッシュ、画像最適化、DDoS攻撃対策を備えたファイアウォール、Cloudflareファイアウォール、Brotli圧縮などもデフォルトで利用可能です。
KinstaのCloudflare統合についてはこちらをご覧ください。
専用リソース
専用リソースとは、特定のウェブサイトのみに割り当てられているサーバーのハードウェアリソース(CPU、RAM、ディスク容量など)を意味します。Kinstaでは各サイトに専用リソースを割り当て、共用サーバーのように他のサイトとリソースを共有することがありません。
専用リソースの確保は、ECサイトにとって以下の側面から不可欠です。
- パフォーマンス:同じサーバー上の他のサイトによるパフォーマンスの問題が波及することがない。
- 拡張性:サイト専用にリソースが確保されるため、必要に応じて拡張が可能。トラフィックの急増時にも柔軟にリソースを追加できる。
- コントロール:サーバー構成のより自由な制御が可能。サーバーのパラメータを調整し、サイトパフォーマンスを最適化することができる。
- セキュリティ:同じサーバーで稼働する他のサイトからの潜在的な攻撃からサイトを保護できるため、セキュリティ強化に役立つ。
Kinstaでは、Google Cloud上のサーバーインフラの基礎となるコンテナ技術としてLinuxコンテナ(LXC)とLXDを使用しています。
各WordPressサイトは、必要なソフトウェアリソース(Linux、Nginx、PHP、MySQL)が装備された専用コンテナで実行されるため、完全に隔離された環境が保証されます。これにより、自分のサイト間であってもリソースが共有されることはありません。
![Kinstaのサーバーアーキテクチャ](https://kinsta.com/jp/wp-content/uploads/sites/6/2024/05/JP-Kinsta-WP-architecture.png)
プロによるサイト移行
サーバーのインフラと設定を確認した後は、サイト移行です。ゼロからサイトを作成する場合、マネージドサーバーであれば、通常数回のクリックでWordPressサイトを作成することができますが、既存のWordPress ECサイトを移行する場合は、WordPressサイトの移行方法を考慮しなければなりません。
ウェブサイトの移行サービスを提供する会社は多数ありますが、すべてのサーバーが十分な知識を持つエンジニアによる移管作業を約束しているわけではありません。また、多くのサーバーは有料オプションとして提供しているため、予算がない場合は自社で行うか、移行プラグインに頼るしかありません。
プラグインを使った移行の懸念点は、データの整合性にあります。プラグインを使ってECサイトを移行するとデータが失われる可能性があり、オンラインビジネスにとって、データの損失は致命的です。
アカウントを登録したらMyKinstaにログインし、移行申請フォームに必要な情報を入力するだけでOKです。数時間後に担当エンジニアより折り返しご連絡いたします。その後、サイトの移行状況はMyKinstaでいつでも確認することができ、完了すると通知が送信され、本稼働前にWordPressサイトのテストを行なって完了です。
Kinstaのサイト移行サービスには、マルウェアスキャンも含まれます。移行中に悪質なコードが検出されると、無料でサイトをクリーンアップします。Kinstaの無料のサイト移行サービスの詳細はこちらをご覧ください。
ステージング環境
ステージング環境とは、公開する本番サイトとは異なるサーバー環境で、本番サイトに影響を与えることなく、開発やテストを行うことができます。
ステージング環境を利用することで、本番環境に移行する前に、安全で隔離された環境でテストを行うことができます。例えば、WordPressのコア、プラグイン、テーマの更新は、重要なタスクです。ステージング環境ですべての更新を実行し、正常に動作することを確認できれば、安全に変更内容を本番サイトに反映することができます。
注)ECサイト用のサーバーを探す際には、クリックなどで簡単にステージング環境を作成・管理できるかどうかを確認することを強くおすすめします。
Kinstaでは、すべてのWordPressサイトに完全に分離された独自のステージング環境が無料で付属します。数分で立ち上げて、MyKinsta上でチームと共有することができます。
さらに、本番サイトに反映する内容は細かく制御可能です。選択的プッシュ機能を使用して、ファイルのみ、データベースのみ、または両方を選択し、ステージング環境の変更内容を本番サイトに適用できます。この機能は、特に注文や購読者を確認するWooCommerceストアや会員制サイトに便利です。
![選択的プッシュ機能を使ってステージング環境から本番環境にファイルを反映](https://kinsta.com/jp/wp-content/uploads/sites/6/2023/11/push-environment2.png)
ステージング環境を複数作成したり、本番環境の要件に限りなく近いステージング環境を作成したりしたい場合、あるいはリソース集約型のサイト開発やテストを行いたい場合には、プレミアムステージング環境アドオンを利用して、各WordPressサイトに最大5つのプレミアムステージング環境を追加できます。
![標準ステージング環境とプレミアムステージング環境を持つWordPressサイト](https://kinsta.com/jp/wp-content/uploads/sites/6/2023/11/access-staging2.png)
高度なバックアップ
更新の失敗、意図しないミス、または何らかの不測の事態により、サイトが一時的に利用できなくなる場合があります。
このような状況を想定して、少なくとも毎日サイトが自動的にバックアップされるサーバーを選択してください。
バックアップの提供は今や業界の標準ですが、復元の容易さと高度な機能は、ECサイト運営の負担をさらに軽減してくれます。
Kinstaでは、以下6種類のバックアップを提供しています。
- 毎日:1日一回自動的に作成
- 時間単位:より頻繁なバックアップが必要なサイト向けに1時間または6時間ごとの時間単位バックアップを提供
- 手動:最大5つのバックアップを手動で作成可能(最低14日間保存)
- システム生成:バックアップの復元、ステージング環境の本番環境への反映、データベースの検索と置換の実行、テーマやプラグインの更新、サイトのリセット時に自動的に作成
- 外部:外部バックアップアドオンを購入すると、Amazon S3またはGoogle Cloud Storageに毎週または毎月バックアップを送信可能
- ダウンロード可能:WordPressのデータベースとファイルのみを含むZIPファイルを週に一度ダウンロード可能
ダウンロード可能なバックアップを除いて、各バックアップはサイトの完全なスナップショットを保存します。MyKinstaからワンクリックでステージング環境または本番サイトに復元することができます。
![MyKinstaでバックアップを簡単に復元](https://kinsta.com/jp/wp-content/uploads/sites/6/2024/02/daily-backup.png)
強力なサイト管理ツール
高度な管理ツールがあれば、作業時間を削減し、複雑な作業から解放され、本業に集中することができます。
その多様性を考慮すると、サーバー間の比較は簡単ではありませんが、検討しているサーバーが、少なくとも以下に挙げるツールのいくつかを提供していることを確認してください。なお、以下のすべてのツールは、Kinstaの全プランに含まれています。
プラグインとテーマの一括更新
複数のウェブサイトを管理するWeb制作会社や複数のプラグインを使用するECサイトにとって、テーマとプラグインを一箇所で監視し、更新する機能はかなり役立ちます。
たとえばKinstaでは、1つまたは複数のサイトで複数のテーマとプラグインを一度に更新できるため、作業時間を大幅に削減することができます。さらに、更新を行う前にシステムがバックアップを生成するため、万が一問題が発生しても、ワンクリックで更新前の状態に復元することができます。この機能をステージング環境と併用することで、サイトを壊すことなく、あらゆる更新を迅速かつ安全に実行可能です。
本番サイトを複製したステージング環境があれば、以下のように更新作業を進めることができます。
- ステージング環境ですべてのプラグインを更新
- ステージング環境が正常に動作することを確認
- 問題が見つかったり、サイトが動かなくなったりした場合は、MyKinstaの「バックアップ」画面に移動し、最新のバックアップを復元してプロセスをやり直します。
- 問題なく更新できたら、ステージング環境を本番環境に反映
- 本番サイトを確認
このように、Kinstaでのテーマとプラグインの更新管理は非常に簡単です。
その他の一括操作
Kinstaでは、本記事執筆時点で以下の操作を一括実行することができます。
- キャッシュのクリア:サーバーキャッシュ、CDNキャッシュ、エッジキャッシュをクリア
- プラグインの更新:1つまたは複数のWordPressサイトで1つまたは複数のプラグインを選択して更新(更新可能なプラグインを一覧表示することも)
- テーマの更新:プラグイン同様、利用可能な更新があるテーマを個別または一括で更新
- エッジキャッシュの変更:個別または複数のサイトでエッジキャッシュを有効化または無効化
- CDNの変更:KinstaのCDNを有効化または無効化
- PHPバージョンの変更:選択したサイトのPHPバージョンを一括変更
- CSV形式でのエクスポート:選択したサイトのリストCSVファイルにエクスポート
- ラベルの変更:サイトのラベルを変更
![WordPressサイト画面から一括操作を実行](https://kinsta.com/jp/wp-content/uploads/sites/6/2023/11/mykinsta-bulkaction.png)
サイトプレビューツール
Kinstaでは、データベースやハードコードされたリンクがまだ旧ドメインまたは別のドメインに紐づいている場合でも、一時URL(sitename.kinsta.cloud)を介して、本番サイトへの紐付けを行う前に、移行したサイトをプレビューすることができます。
これにより、KWordPressサイトの移行がさらに容易になります。MyKinstaでサイトプレビューを使用するには、サイトの「ツール」画面の「サイトプレビュー」セクションの「利用する」をクリックします。
![本番サイトのドメインを入力してサイトプレビューを利用](https://kinsta.com/jp/wp-content/uploads/sites/6/2025/01/mykinsta-site-preview.png)
サイトプレビューの詳細はこちらをご覧ください。
検索と置換
WordPressサイトを運営していると、時にデータベースに直接変更を加えなければならないことがあります。異なるドメインに紐づけるためにURLを変更したり、httpを使用していたURLをhttpsに変更したりする必要があるかもしれません。
通常は、WordPressのデータベースで直接操作を行うことになりますが、Kinstaでは、MyKinsta上で検索と置換ツールを使用することができます。
ウェブサイトの「ツール」画面で「検索と置換」セクションの「検索と置換」をクリックします。
テキストフィールドにデータベースから探したい値を入力して、「検索」ボタンをクリックすると、その値の出現回数が表示されます。確認後、別の値に置換する場合は、「検索後に置換」にチェックを入れて、「以下に置き換える」フィールドに値を入力してください。「検索後に置換する」をクリックすると実行されます。
マルチユーザー対応管理画面
チームでサイトを管理する場合、各ユーザーが割り当てられたタスクを安全に実行できるよう、コラボレーションツールが必要です。WordPressのグループ権限を使って役割に基づきメンバーにタスクを割り当てることができますが、これだけでは効率的にチームで作業を行うには不十分です。DNSの設定、CDNの有効化、データベースへのアクセスなど、サーバーに特化した上流工程があります。
管理者と開発者で構成され、責任のレベルが異なるチームで作業する場合は特に、サーバーにマルチユーザー機能があるかどうかが気になります。
Kinstaでは、WordPressに特化して特別設計されたコントロールパネル「MyKinsta」を提供し、すべてのプロジェクトをチームで効率的に管理することができます。
MyKinstaには、以下2種類のユーザーがあります。
- 企業単位のユーザー:企業の情報にアクセスできる
- サイト単位のユーザー:個々のウェブサイトにのみアクセスできる
会社単位のユーザーには、以下4つの役割を付与することができます。
- 企業の管理者:全サイトのすべての要素を管理可能
- 企業の開発者:全サイトを管理できるが、企業の支払い関連や設定にはアクセスできない
- 企業の経理係:企業の設定と支払い関連の情報にのみ管理可能
- 企業の所有者:企業の管理者と同じ権限に加えて、アカウントを削除することができる
サイト単位のユーザーには、以下2つの役割を付与することができます。
- サイトの管理者:特定のサイトのすべての環境(本番およびステージング)にアクセスできる
- サイトの開発者:特定のサイトのステージング環境のみ管理可能
これらのマルチユーザー機能により、各ユーザーは担当するサイトでのみ割り当てられたタスクを実行できます。これはセキュリティ上の大きな利点であり、運用効率が向上します。
分析ツール
ECサイトにおいて、データは多ければ多いほど役立ちます。マーケティングの成果を追跡したり、キャンペーンやセール時期などの販売戦略の効果を確認したりする上で、欠かせないものです。
ECサイトのようなビジネスサイトでは、ページの読み込み時間やスクリプト、クエリの実行時間に関するデータを入手することは、サイトを健全に保ち、ビジネスに十分なパフォーマンスを確保する上で極めて重要になります。
このような理由から、ECサイトをはじめとしたビジネスサイトを運営する場合は、サイトとビジネスを最高の状態で運営するために欠かせないすべてのデータを提供してくれるサーバーを選びましょう。
Kinstaでは、サイトのあらゆる側面を深く掘り下げる分析ツールを提供しています。MyKinstaのダッシュボードでは、全体のリソース使用状況を素早く確認できます。
![MyKinstaのダッシュボードに表示されるWordPressの分析](https://kinsta.com/jp/wp-content/uploads/sites/6/2025/01/mykinsta-bashboard-analytics.png)
このセクションには、月間の訪問数、帯域幅、CDN、およびディスク使用量の概要などが表示されるため、サイトに割り当てられているリソースが十分かどうかをリアルタイムで確認できます。
画面右上のユーザー名をクリックし、「企業の設定」>「分析」画面に移動すると、プラン内のすべてのサイトのより詳細な分析データを確認できます。
![企業単位のWordPressの分析](https://kinsta.com/jp/wp-content/uploads/sites/6/2024/01/company-wp-analytics.png)
「WordPressサイト」>(サイト名)>「分析」から、特定のサイトの分析データを確認することもできます。
![サイト単位のWordPressの分析](https://kinsta.com/jp/wp-content/uploads/sites/6/2024/01/site-wp-analytics.png)
右上のドロップダウンメニューから、過去24時間、7日間、30日間、または現在の請求サイクル(今月)に絞り込むことができます。
![PC、タブレット、モバイルアクセスの内訳](https://kinsta.com/jp/wp-content/uploads/sites/6/2025/01/dispersion-diagram.png)
MyKinstaの分析ツールの詳細はこちらをご覧ください。
スケーラビリティ機能
オンラインビジネスを立ち上げ、成長させるには、スケーラビリティについても考慮しておくことが重要です。スケーラビリティとは、高いパフォーマンスを維持しながら、需要の増加に対応できるシステムの可能性を意味します。
簡単に言えば、ビジネスサイトがスケーラブルであれば、事業を安全かつスムーズに成長させることができます。スケーラブルでないウェブサイトでは、配信の遅延やカスタマーサポートの質の低下といった問題が発生する可能性があります。
以下は、ECサイトのスケーラビリティを確保するために行うべき対策の一部です。
- 高性能なクラウドサーバーを利用する(要件に応じて処理能力、メモリ、ストレージ容量を増減可能)
- できれセキュリティとパフォーマンスに最適化されたインフラを持つマネージドサーバーを選ぶ
- エンタープライズレベルのCDNを使用する
- 増加するデータとクエリを容易に処理できるデータベースを使用する
- キャッシュを使用する
- 画像最適化を行う
- コードを圧縮する
- パフォーマンス監視(APM)ツールを利用する
- 時間をかけて継続的に最適化を行う
Kinstaは、拡張性の高いオンラインストアや需要の高いウェブサイトを作成するのに適した基盤を提供しています。WordPressサイトを世界中に迅速かつ安全に配信することが鍵となるピーク時にも、対応に必要なリソースが常に確保されます。
関連して、トラフィックの多いウェブサイトに適したサーバー、WooCommerceストアに適したサーバーの選び方、Kinsta APIでリソースのスケーリングを予測する方法、Kinstaで簡単にサイトをスケーリングする方法もご覧ください。
開発者向けツール
スタートアップやスモールビジネスでは、WordPressのコアとプラグインですぐに利用できる基本的な機能があれば十分かもしれませんが、事業が成長するにつれて、より高度で複雑なタスクを扱うために開発者(または開発チーム)が必要になる可能性があります。
ビジネスの拡大を想定して、サーバーが開発者向けのサービスやツールを提供しているかどうかも事前に確認しておくことをおすすめします。例えば、APIを使ったやり取りやサーバーと統合されたローカル開発ツールなど、複雑なタスクを安全に最小限の労力で実行できるツールがあるのが理想的です。
Kinstaでは、ワークフローを効率化し、サイトパフォーマンスを改善する開発者向けツール群を提供しています。以下、Kinstaの開発者向けツールをご紹介します。
Kinsta API
Kinsta APIは、Kinstaアカウントとプロジェクトに簡単にアクセス・やり取りできる強力な開発ツールです。Kinstaのサーバーを任意のサードパーティツールと統合し、エンドポイントを使ってレポートの作成、タスクのスケジューリング、WordPressサイトの作成と管理、操作ステータスの確認など、さまざまな操作を実行できます。Kinsta APIに関する詳しい情報は、Kinstaブログ、ドキュメント、Kinsta APIリファレンスをご覧ください。
![Kinsta APIと対話するためにSlackでSlashコマンドを作成](https://kinsta.com/wp-content/uploads/2023/08/slash-commands-to-interact-with-kinsta-api.jpg)
DevKinsta
DevKinstaは、WordPressに特化して特別設計された無料のローカル開発ツールです。数秒でローカルのWordPressサイトを作成し、MailHogを使用したメールテストからAdminerを使用したデータベース管理まで、サイトのあらゆる側面をテストすることができます。ローカルサイトとKinsta上のWordPressサイトを同期させたり、ローカル環境とリモート環境間でサイトを反映または取り込んだり、ワークフローの多くのステップを自動化することができます。DevKinstaの紹介ページとドキュメントで詳細をご覧いただけます。
リバースプロキシ
リバースプロキシ(アドオンとして利用可能)は、複数のサイトやアプリケーションのホスティング場所を問わず、単一のドメインからサービスを提供することができます。例えば、メインサイトのドメインがmainsite.com
で、サブサイトがmystore.kinsta.cloud
の場合、mainsite.com/mystore
にサブサイトを表示するように設定可能です(詳しくはこちら)。
![リバースプロキシの設定については「アドオン」画面からサポートにお問い合わせください](https://kinsta.com/jp/wp-content/uploads/sites/6/2024/03/addon-reverse-proxy-1.png)
cronジョブ
Kinstaでホスティングするサイトは全て、独自のcrontabを持つプライベートコンテナで実行されるため、各サイトコンテナにリアルサーバーのcronジョブを追加することができます(詳しくはこちら)。
SFTP/SSH接続
SFTPとSSHを使用すると、管理タスクの実行、ファイルの転送、サイトの更新をリモートで行うことができます。SFTP/SSH接続はKinstaのすべてのプランでご利用いただけます。詳しくはドキュメント、SSHの使用方法、高度なSFTPとSSHのセキュリティ機能に関する詳細をご覧ください。
WP-CLI
Kinstaのすべてのサーバーには、WP-CLI v2がデフォルトでインストールされています。WP-CLIにアクセスするには、SSHでサーバーに接続し、サイトのドキュメントルートに移動します。SSHアクセスはすべてのプランに付帯します(詳しくはこちら)。
GitHub、GitLab、Bitbucket
Gitクライアントもサポートしています。SSHでサイトにアクセスし、GitHub、GitLab、Bitbucket、またはそのほかのGitサービスからGitリポジトリをプルダウンすることができます。SSHアクセスはすべてのプランに付帯します。
その他の開発者向けツール
他にも以下のような開発ツールを提供しています。
経験豊富なエンジニアによるサポート
ECサイトを運営していれば、いずれ何かしらの問題に遭遇するものです。アクセスが殺到してサイトがダウンしたり、プラグイン間やテーマとの競合が発生したり、サイト上でセキュリティ違反が発生したりなど。また、自分で操作できる範囲を超えた複雑な設定が必要になることもあります。
このような場合、AIやボットの自動サポートはほとんど役に立ちません。また、階層型のサポートでは、緊急時であっても十分な知識を持つ担当者にたどり着くまで何日も待たされる可能性があります。
ECサイトのダウンは1分1秒が命取り。だからこそ、24時間365日利用できる知識豊富なスタッフによるサポートがあると安心です。
Kinstaでは、24時間年中無休体制で経験豊富なエンジニアによるサポートを日本語をはじめとする10ヶ国語提供しています。世界中に在籍するサポートエンジニアがすべてのタイムゾーンを網羅し、125ヶ国以上にいる何千ものお客様をサポート。階層型のサポートは採用しておらず、すべてのお客様(ブロガーからフォーチュン500企業まで)に対して初回からエンジニアが対応します。
![MyKinstaのサポートチャット](https://kinsta.com/jp/wp-content/uploads/sites/6/2018/11/mykinsta-chat-support.png)
上のように、MyKinstaからワンクリックでライブチャットを起動することができます。
世界的レビューサイト「G2」では、2024年に「中小企業向け」「中規模ビジネス向け」「ユーザー満足度」のカテゴリで世界最高クラスのWordPress向けサーバーとして認定されており、特にサポートの質について評価を受けています。
まとめ
今日の競争の激しいEC業界において、オンラインストアの成功は堅牢で効率的なサーバーが鍵を握っています。今回は、高性能でスケーラブル、なおかつ安全なECサイトを実現するために欠かせないサーバー機能とツールをご紹介しました。
Kinstaのツールと機能は、WordPressサイト、特にECストアのパフォーマンス、セキュリティ、およびスケーラビリティに最適化されています。Google Cloud、LXDコンテナ、Cloudflare統合などの高度な技術を採用することで、ECストアのシームレスな成長、トラフィックやデータ量増加への対応を実現しています。さらに、生産性を向上し、ワークフローを効率化する開発者向けツールも多数提供しています。
Kinstaを選ぶことで、「オンラインストアが信頼性に優れた高性能サーバーで稼働している」という安心感を得ることができ、大事なビジネスの成長に集中することができます。この機会に、WordPress専用マネージドクラウドサーバーのプランを一度チェックしてみてください。
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