ウェブサイトに多くの時間と労力を費やした結果…維持管理にうんざりし、最終的に目指す場所がどこなのか疑問に思う時が来るかもしれません。
今まで懸命に取り組んだすべてのものを「ただ無にする」のも気に入らない。そんな時には、ウェブサイトを売ることが答えになるかもしれません。または、他のプロジェクトに集中するために、時間を確保するというシナリオも考えられるでしょう。
いきなり行動に移す前に「自分のウェブサイトにはどのくらいの価値があるのか」「本当にウェブサイトを販売すべきなのか」といった点を考えてみましょう。
そんな疑問に対する答え探しのお手伝いをすべく、この記事を執筆しました。時間をかけて構築したサイトに「堅実な投資だった」と言えるためにできることがあります。
実際にウェブサイトを売るという行為は堅実なのか
サイトを売りたいと思う。そんな時には、それなりの正当な理由があるものです。そこから考えてみましょう。
1. 成長の限界に達した
収入とトラフィックの両方で、サイトがその限界に達したと感じているかもしれません。サイトからそれ以上何かを得られないと感じた場合、またはそれ以上労力を費やしたくない場合は、次のステップに進むことができます。
2. マンネリ化を感じる
サイトの今の姿に情熱を感じない。時間やリソースを考えると、満足できない。そんなこともあるでしょう。10年前に情熱を注いだサイトでも、今ではもうあまり関心を示せないかもしれません。過去に固執するよりも、前進する方がいい場合もあります。
3. 他のプロジェクトに投資したい
ウェブサイトがうまくいっていても、他の機会に進むために区切りをつけることもあります。経験と成功を次の新しいプロジェクトに活用することで、非常にやりがいのあるステップを踏むことができます。
理由が何であれ、ウェブサイトを販売することに決めた場合、それにどれだけの価値があるのかを把握する必要があります。
自分のウェブサイトには一体いくらの価値があるのか
サイトを販売した際に手にできる金額を正確に把握するのは簡単ではありませんが「およそいくらか」を知るために活用できる方法はいくつかあります。
一般的な経験則として、毎月のウェブサイトからの収入を24〜36倍する方法があります。ですので、もしあなたのウェブサイトが1か月あたり1,000ドルの収益をもたらすならば、販売額は24,000〜36,000ドルが予想されます。
もちろん、ウェブサイトの価値を決定する要素は他にもたくさんあります。純利益、長期的な利益、収益源などなど。これらすべてが、購入検討者にとって重要な判断材料になります。多くのオーガニックトラフィックのあるウェブサイトは、大抵、訪問者獲得のために広告に大きく依存するウェブサイトよりも価値があります（ちなみに、 多くのトラフィックをウェブサイトにもたらすための実証済みの戦略はこちらでご紹介しています）。
これよりも、もう少し正確な情報をお求めであれば、オンラインのウェブサイト価値計算ツールやドメイン評価ツールを使用して、その他の要因も考慮した価格の概算を知ることができます。
ウェブサイトの価値計算ツール7選（＋その使用方法）
ウェブサイトの評価には、スプレッドシートを用いた計算から専用ツールまで、多くのオプションが利用できます。そして、ツール次第では、入力する情報量に違いがあります。そのため、結果が必ずしも同じとは限りません。
ウェブサイトの価値をより正確に知るためには、複数の計算ツールを使ってみてください。そして、どの数字も「あくまでも目安」ですのでその点はご理解ください。実際にサイトを販売するに際には、購入者はそれよりも少なく払う可能性も、もっと払いたいと申し出る可能性もあります。
ウェブサイト価値計算ツールの使い方
ウェブサイト価値計算ツールは大方、同じ方法で操作できます。入力する情報にも大きな違いはありません。
ウェブサイトの価値（の目安）を判断するのに使用できるウェブサイト価値計算ツールをいくつかご紹介します。
1. Flippa
Flippaは自称「業界で最も正確な評価を数分で」提供するサービスです。6ステップのプロセスはシンプルで、これには数分しかかかりません。
レポートを確認するには、名前、メールアドレス、電話番号などの詳細情報を入力する必要があります。
2. Empire Flippers
Empire Flippersは自称「確立された収益性の高いオンラインビジネスが売買できる、厳選されしNo.1マーケットプレイス」とのことです。
このシンプルなツールを使用し、ウェブサイトの情報を入力すると、数分で評価を受け取ることができます。ウェブサイトの評価を確認するには、 メールアドレス（と任意で電話番号）を入力する必要があります。
3. FitSmallBusiness
FitSmallBusinessは、収入と業界の乗数に基づき2つの評価を出し、ウェブサイトの価値を大まかに把握します。
この計算ツールは実施にはあなたの特定のサイトを考慮に入れるわけではないので、以下のドメイン評価ツールのいずれかと組み合わせて使用するのがいいでしょう。
4. Worth Of Web
Worth of Webのツールを使用すると、URLを入力するだけで、サイトを評価してもらうことができます。すぐにレポートが生成され、個人情報を入力する必要もありません。
これを使って競合他社のサイトの価値を把握して、それと比較した自分のサイトの価値を伺い知ることができます。
5. GoDaddy
GoDaddyは、何百万ものドメインの過去の売り上げを基にして、各ドメインの価値を推定します。機械学習と長年にわたる市場販売データを使用して、販売、取引、交渉の目安に使うことのできる価格を提供してくれます。
これは事業やサイトの個別の価値を考慮に入れたものではありませんが、ドメインを使用する予定がなくなった場合には、どれだけの可能性があるのか理解するのに使えるでしょう。
6. SiteWorthTraffic
SiteWorthTrafficは、URLを入力するだけでサイトの価値と全体的なパフォーマンスを推定できる無料のツールです。レポート生成のためにサインアップしたり、多くの情報を入力したりする必要はありません。
このツールも、実際のウェブサイトの特徴やそれに付随するビジネスを考慮しませんが、広告ベースの収益は有用な指標になります。このツールを使って最近価値を推定した他のサイトのリストは優れたプラスになります。ここから、自分のサイトの価値を詳しく知ることができます。
7. Siteprice.org
Siteprice.orgは、URLを入力してウェブサイトの推定値とパフォーマンスを確認できる無料のドメイン評価ツールです。
ソーシャルメディアの可視性など、一部の項目には少し不自然な点も見られますが、Sitepriceのレポートには、比較に使える100の類似したサイトとその数値が表示されます。
実際にウェブサイトを販売する方法
サイトの価値が把握できたら、続いてはオンラインのどこで販売するかを考えましょう。
ウェブサイトの売買は、不動産の売買とかなり似ています。ドメインは住所のようなもので、ウェブサイトは建物のようなもの。だからこそ、専門的なサービスを利用することをお勧めします。
どこでサイトを販売できるのか
他のものを販売する場合と同様に、潜在的な問題を回避するために、安全で信頼できる仲介業者を通じてサイトを販売することが非常に重要です。
ウェブサイトの販売に豊富な経験を持つ専門の企業と協力することで、最大限の価格とスムーズな取引が保証されると言っても過言ではないでしょう。
Flippa
上ではFlippaの評価ツールを取り上げましたが、Flippaは主にオンラインビジネスを売買するためのプラットフォームです。自分のサイトの価値を把握したら、そのままここで次のステップに進むことができます。
「ビジネス売買のためのNo.1プラットフォーム」と称するFlippaには、高い信頼性を誇る仲介業者のディレクトリがあり、その所在地、専門分野、価格帯が確認できます。そして、Flippaアカウントを通じて、あなたの選んだブローカーを利用し、ビジネスを売りに出すことができます。
Empire Flippers
上の例と同様に、Empire Flippersも優れた価値計算ツールを提供しながら、次のステップも担い、自分でサイトを販売する場合よりも多くの収益を上げられるようにサポートしてくれます。
Empire Flippersでビジネスを売りに出すと、90,000人を超える購読者にその情報が送信されます。サイトをより多くの人に見てもらい、出来るだけ好ましい取引を手にするために欠かせない要素です。Empire Flippersは購読者との強いコネクションを誇り、特定のタイプのサイトを探している潜在的な購入者に狙いを定めることができます。
FE International
FE Internationalはウェブサイト売買の仲介サイトです。41,000人以上の認定済み投資家で構成されるグローバルネットワークを誇ります。
つまり、あなたのサイトは本当に購入できる人にしか表示されません。時間の浪費や詐欺は排除されています。FE Internationalは、ビジネスの価値最大化、そして最終的な販売の支援を目指しています。
4 ウェブサイト販売のためのヒント
面倒ではあるかもしれませんが、サイト販売は単にドメインとビジネスの価値だけの話ではありません。
ウェブサイトやビジネスを販売する際には最良の取引を確保するために特定のステップを踏む必要があります。
1. 長期的な価値を考える
通常、ビジネスの価値の計算は、利益に基づいて行われます。もっともらしい数値に到達するという意味では便利ですが、ビジネスの長期的な価値は見落とされがちです。
成長の可能性、ソーシャルメディアでのプレゼンス、オーガニックトラフィック（検索からの訪問者数）は、ウェブサイトの価値を金銭以外の面から示す要素です。ウェブサイトの継続的な成長により、収益が増加し、ブランド認知度が高まるため、より価値の高いものになります。
2. ターゲット市場を理解する
どの販売の際にも言えることですが、ターゲット市場を理解することが重要です。購入者が望むもの、購入者が確保できる予算、そして、どうやって、そこに訴求するのか。
eコマースサイトの販売では、コンテンツベースのサイトとは異なるアプローチを採用すべきです。さらに、購入者の種類も異なります。プロの仲介者を雇うことには、大きなメリットがあります。彼らは、適切な市場に、適切な方法かつ適切な価格でアプローチするために必要な経験とネットワークを持っています。
3. その他のウェブサイトの販売結果を調査する
これまでにウェブサイトを購入または販売したことがない場合、相場が全くわからないはずです。
ウェブサイトの仲介業者と話をして、あなたの業界または他の同等のビジネスにおけるウェブサイトの以前の販売実績について聞きましょう。アルゴリズムや乗数ではなく実際の経験に基づいているため、最も現実に即した感触が得られます。価格とともに、掲載すべき情報や販売のための戦略についても詳細を確認しましょう。
4. 適切な購入者に向けてサイトの販売情報を公開する
オークションサイトは多数ありますが、すべてが同じサービスを提供しているわけではなく、すべてがオークションに適しているわけでもありません。
可能な限り、長年にわたる評判を持つ、大きく人気のあるサイトを選択してください。ただし、大勢のオーディエンスが必ずしも最高の顧客になるとは限りません。ビジネスがかなりニッチな場合は、そのセクターでの経験やコネクションについて仲介者に聞いてみるのがいいでしょう。
サイト販売の際に避けるべき3つの間違い
ウェブサイトの販売には、多くの落とし穴があり、結果的にお金がかかったり、全く売れなかったりということがあります。
1. [過ち] 無意味な統計に焦点を当てる
目立つ数字でサイト情報を装飾することは、潜在的な購入者に訴求するための便利な方法です。ただし、ビジネスパフォーマンスにあまり関係のない虚栄心のためだけの数値を記載することには注意が必要です。
印象的であるかどうかよりも、まず透明性を確保して統計情報を公開しましょう。そして、ビジネスの強み、成果、魅力的なデータを強調（誇張ではなく）することです。マイナスの面を隠すことなく、ポジティブな面を際立たせることが重要です。
2. [過ち] 長期的な見方をしない
最新の流行やトレンドに特化したウェブサイトを作成することは、短期間でお金を稼ぐための優れた方法だと聞いたことがあるかもしれません。多くの場合、投機目的の人はドメインを購入して、急いでいくつかのページを作成して、トピックがまだ注目を浴びているうちにサイトの販売を行おうとします。
しかし、このような努力も質も伴わないサイトからはめったにお金は生まれません。ウェブサイトを販売してしっかり利益を上げたいならば、短期的な流行ではなく、サイトの長期的な可能性に焦点を当てる必要があります。時間と労力はかかりますが、これが価値と魅力につながります。
3. [過ち] 販売前にサイトを最高の状態にしていない
販売しようとしているものに多くの労力を費やすことは直観に反するかもしれません。しかし、こうすることで価格交渉を有利に進めることができます。販売前に家を改築・修繕するのと同じです。
SEOから収益化の戦術、潜在顧客の取得戦略まで、ウェブサイトにあるすべてを最適化しましょう。逆に言えば、最適化されていないサイトは、購入者にとってはお買い得商品です。そんなサイトを低価格で購入し、わずかな作業をするだけで、利益を上げることができるのですから。ですので、販売前にはサイトの可能性を最大限にまで高めるようにしてください。
まとめ
ウェブサイトを販売することは一筋縄ではいきません。いきなり行動する前に多くの調査を行うのが得策です。
時間をかけてウェブサイトの価値、可能性、市場を把握することが、販売の成功に寄与します。販売を真剣に考えているならば、少なくとも1社の仲介業者に問い合わせてみましょう。仲介のプロは、状況に即した現実的なアドバイスを提供してくれます。それには少しお金がかかりますが、投資するだけの価値は十分あります。
Head of Content at Kinsta and Content Marketing Consultant for WordPress plugin developers. Connect with Matteo on Twitter.
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