大学、学校サイトにWordPressを使用している場合、学生や卒業生に優れた体験を提供すると同時に、サイト管理プロセスを簡素化するのに役立つプラグインが多数あります。
この記事では、大学や教育機関のサイトに機能性と効率性をもたらす優れたWordPressプラグインを40種類以上一挙にご紹介します。わかりやすいよう、13のカテゴリーに分けて見ていきます。
1.フォームプラグイン
WordPressを利用した大学・教育機関のウェブサイトでは、通常以下のような様々な公開・内部フォームを扱うことになります。
- お問い合わせフォーム
- お申し込みフォーム
- メールマーケティング用のメール送信フォーム
- イベントやユーザー登録フォーム
- アンケートおよびフィードバックフォーム
基本的なフォームはもちろん、優れたプラグインを使用すれば、以下のようなサードパーティツールとの統合も簡単です。
- 学生管理システム
- カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM)
- 授業料等の支払い受け取りサービス
プラグインによっては、管理作業を要するタスクのワークフローを自動化することもできます。

フォームプラグインは、以下がおすすめです。
- Gravity Forms:柔軟性に優れた有料プラグイン。多数の公式アドオンに加えて、サードパーティの拡張機能も充実しています。学校、教育機関サイトでは、Gravity Flowプラグインとの組み合わせが特に便利。公式サイトによれば、イェール大学やペンシルベニア州立大学などの有名大学が使用している。
- WS Form:比較的新しいフリーミアムフォームプラグインで、様々な種類のフォームの設定と複数のサービスとの統合が可能。
- Formidable Forms:様々なフォームに対応し、タスクの自動化も行なってくれる。数百種類のテンプレートを使用できるため、効率的にフォームを作成できる。
2. イベント管理プラグイン
学校や教育機関では、学生、卒業生、入学希望者とその家族、教職員向けに様々なイベントを定期的に開催するのが一般的です。
イベント管理プラグインを使用すれば、イベントをバックエンドで管理しながら、カレンダーや参加者リストなどを様々な形式でフロントエンドに表示することができます。また多くのプラグインは、オンライン・オフラインイベントの両方に対応しています。
中にはチケットの発券機能が組み込まれたものもあり、無料または有料のチケット制イベントを開催する場合には便利です。

教育機関には、以下のイベント管理プラグインがおすすめです。
- WP Event Manager:オンライン・オフライン、1回限りまたは定期的に開催するイベントの作成、イベントカレンダーなどの重要な機能を提供するフリーミアムプラグイン。チケット制のイベントを開催する場合は、チケットの販売も可能。
- Events Manager:インターフェースやデザインはやや古い印象はあるが、あらゆる学校サイトで必要になるすべての機能をそろえたフリーミアムプラグイン。無料で利用できカスタマイズも簡単。
- The Events Calendar:洗練された体験とイベント必須機能を搭載した人気のフリーミアムプラグイン。開発元が同じEvent Ticketsプラグインを組み合わせてチケット制のイベントを扱うことも可能。
3.カスタムコンテンツ管理プラグイン(カスタム投稿タイプとカスタムフィールド)
大学や学校では多くの場合、WordPress標準の投稿タイプや固定ページタイプだけでなく、別途独自のコンテンツ構造を追加する必要があります。例えば大学サイトでは、学部や学科などのデータタイプを作成したいかもしれません。
このようなカスタムデータ型を扱うには、WordPressのカスタム投稿タイプやカスタムフィールドを使用することになります。コードで管理することも可能ですが、既存のプラグインを使用する方が圧倒的に効率的です。

カスタム投稿タイプやカスタムフィールドの作成におすすめしたいプラグインは以下の通りです。
- Pods:完全無料でカスタム投稿タイプやカスタムフィールドを作成可能なプラグイン。
- Meta Box:カスタムフィールドとカスタム投稿タイプの両方をサポートするフリーミアムプラグイン。一括払いで無期限に使用できるプランは長期的に見るとお手頃。
- Advanced Custom Fields (ACF):カスタムフィールドに焦点を当てたプラグインだが、カスタム投稿タイプの作成と管理も可能。
- Toolset:カスタム投稿タイプやカスタムフィールドの作成に加えて、カスタムコンテンツタイプからのデータを簡単にフロントエンドサイトに表示できる有料プラグイン。
4. LMS(学習管理システム)プラグイン
WordPressのLMSプラグインは、オンライン講座の作成や配信に便利です。
大学の場合は、Canvas、Moodle、Blackboardなど、より多機能な学習管理ソフトウェアを使用したいと思うかもしれませんが、既存のWordPressサイトを通して軽量なソリューションで受業を配信したい場合は、LMSプラグインが良い解決策になります。
LMSプラグインは、大学レベルの堅牢な機能を必要としない小規模な教育機関にも適しています。

おすすめのWordPress LMSプラグインは以下の通りです。
- LearnDash:ProPanelアドオンを購入すれば、課題や採点表の管理などの高度な機能も利用できる人気の有料プラグイン。
- LifterLMS:課題、小テスト、評定をサポートするフリーミアムプラグイン。コア機能は無料で、必要に応じて拡張機能を購入できる。
- Tutor LMS:無料または有料のオンライン講座を扱うことができ、教員も複数追加可能。
- LearnPress:無料版でも多くの機能を利用できる人気フリーミアムプラグイン。LearnPressと互換性のあるWordPressテーマも提供している。
5. 学校サイト管理プラグイン
教育機関向けオールインワンソリューションをお探しなら、学校サイトに特化した管理プラグインを利用することもできます。
この種類のプラグインは、通常以下のようなバックエンド管理タスクに役立つ機能を搭載しています。
- 出席、成績、懲戒記録を含む生徒情報の管理
- 業績記録などの教職員の管理
- 授業料や手数料などの財務管理
- 授業などの時間割管理
- 願書受付やその他関連業務を含む入試管理
-
図書館の管理(貸出や在庫の管理)
- 保護者、生徒、職員にメールを送信するためのコミュニケーションツール
たとえば、以下はThe School Managementプラグインの管理画面です。

なお、学校サイト管理プラグインは、部分的な機能を部分的に補完するその他のプラグインよりも包括的であるため、サイトの複雑性が高まることが予想されます。したがって、このような学校サイト管理機能をWordPressサイトに導入するのか、サードパーティツールを利用するのかは事前によく検討することをおすすめします。
おすすめの学校サイト管理プラグインには、以下が挙げられます。
- WPSchoolPress:WordPress.orgのプラグインディレクトリで最も人気の高いプラグイン。コア機能は無料でオンラインでの支払い受け取りなど、有料アドオンで機能の拡張が可能。
- The School Management:重要な学校サイト管理機能が揃う人気プラグイン。49ドルの有料版もあり。
- School Management System:EnvatoのCodeCanyoqnマーケットプレイスから手頃な価格で購入可能(無期限の更新と6ヶ月間のサポートで59ドル)。
6. SNSプラグイン
SNSは学校が在校生や卒業生、そしてその家族と交流するための良いプラットフォームになります。SNSプラグインを使って組織のSNSアカウントをWordPressサイトに統合することができます。

SNSプラグインには、以下がおすすめです。
- Novashare:SNSのシェアブタンやフォローボタンを設置できる軽量な有料プラグイン。
- Spotlight:1つまたは複数のInstagramフィードをサイトに埋め込むことができるフリーミアムプラグイン。
- Smash Balloon:Facebook、Instagram、X、YouTube、TikTokをサポートする柔軟なプラグイン。個別の統合またはすべての統合まとめて購入することができる。
- Simple Social Button:シェアボタンを追加できるシンプルなフリーミアムプラグイン。
- Blog2Social:ブログ記事やその他のコンテンツをSNSアカウントに自動的にシェアすることができるフリーミアムプラグイン。
7. SEO(検索エンジン最適化)プラグイン
WordPressにはデフォルトで多くの機能が組み込まれていますが、検索エンジン最適化(SEO)は例外です。Googleなどの検索エンジンで上位に表示されるようにサイトを最適化するには、SEOプラグインが欠かせません。
SEOタイトルやメタディスクリプションの設定といった基本的な対策だけでなく、サイトの検索順位を改善するより技術的な戦略も扱うことができます。

SEOプラグインは、以下がおすすめです。
- Yoast SEO:基本的なSEO情報を簡単に設定でき、分析ツールも利用可能。
- Rank Math:無料版でYoast SEOよりも多くの機能を提供する人気のフリーミアムプラグイン。
- SEO Framework:多くの組織が必要とする基本的なSEO機能をすべての揃えた軽量のフリーミアムプラグイン。
8. ユーザー登録プラグイン
WordPressサイトで学生や教職員のユーザーアカウントを扱うには、登録関連のタスクを処理するユーザー登録プラグインが便利です。
専用の登録プラグインを使用することで、サイトの登録フォームをより細かく制御でき、ユーザー役割の割り当てもスムーズです。例えば、学生用のフォームには「学生」のユーザー役割、教員用のフォームには「教員」のユーザー役割を割り当てることができます。
必要な機能によっては、先ほどご紹介したフォームプラグインを使用使用するのでも良いかもしれません。

おすすめのWordPressユーザー登録プラグインはいくつかあります。
- User Registration & Membership:フリーミアムプラグインで、カスタム登録フォームを作成し、ユーザーの役割を割り当てることができます。また、基本的なメンバーシップ機能とコンテンツ制限も提供します。
- Ultimate Member:人気のフリーミアムプラグインです。また、コンテンツ制限やメンバーディレクトリ(教員を表示するのに便利)など、その他のメンバーシップ機能も備えています。
- Profile Builder:ユーザー登録フォームをカスタマイズし、ユーザーの役割割り当てを行うことができるフリーミアムプラグインです。軽いロールベースのコンテンツ制限にも使えますが、前の2つのプラグインほど多くのメンバーシップ機能を提供していません。
9. コミュニティプラグイン
WordPressで使って学生、教職員、卒業生のアカウントを管理する場合は、コミュニティプラグインの導入も検討できます。
コミュニティプラグインは、ユーザーグループ、ディスカッションフォーラム、公開ユーザープロフィールなどの便利なソーシャル機能を提供し、ユーザーにとって魅力的なプラットフォームを作り出すことができます。

学校や教育機関には以下のプラグインがおすすめです。
- BuddyPress:フロントエンドのユーザープロフィール、ユーザーグループ、友達機能、活動フィード、プライベートメッセージなど、多くのコミュニティ機能を完全無料で利用できる。サードパーティ拡張機能も豊富。
- PeepSo:フロントエンドのユーザープロフィール、活動フィード、ユーザーグループ、プライベートメッセージなど、BuddyPressが提供する機能が多数組み込まれたフリーミアムプラグイン。
また、フォーラムプラグインを追加することで、より強固な掲示板機能を組み込むことも可能です。上記の2つのプラグインは、bbPressをはじめとする多くのフォームプラグインと互換性があります。
10. ファイル/ドキュメント管理プラグイン
学校や教育機関のサイトでは、多くのファイルやドキュメントを管理するのが通例です。その種類は公開したくない内部ファイルや、印刷可能フォームなどのサイト訪問者に公開したいファイルとさまざまです。
WordPressのドキュメント管理機能を拡張するには、ファイルおよびドキュメント管理プラグインをインストールすることを検討してみてください。

ファイル/ドキュメント管理プラグインは以下がおすすめです。
- Download Monitor:ダウンロードの追跡、アクセス制限、ダウンロードリンクの生成、クラウドストレージへの接続など、WordPress管理画面からダウンロードファイルを管理できるフリーミアムプラグイン。
- Download Manager:Download Monitor同様の機能を提供するもう1つの選択肢。
11. WordPressマルチサイト向けプラグイン
WordPressを利用する大学サイトの多くは、WordPressマルチサイトです。マルチサイト自体はプラグイン不要のコア機能ですが(有効にして設定するのみ)、マルチサイトの管理を効率化してくれるプラグインは多数あります。
WordPressマルチサイトの管理に役立つおすすめプラグインは以下の通りです。
- User Switching:その名の通り、ユーザーアカウントを素早く切り替えることができる無料プラグインで、異なるユーザーの役割を扱うマルチサイトに有用。
- WordPress Multisite User Sync/Unsync :サブサイト間で1つまたは複数のユーザーアカウントを簡単に同期/非同期することができるフリーミアムプラグインです。
- WordPress Multisite Content Copier/Updater:上記プラグインと同じ開発者による別のフリーミアムプラグイン。サブサイト間でコンテンツをコピー/更新可能。
- Multisite Shared Media for WordPress:30ドルで購入できる有料プラグイン。1つまたは複数のサブサイト間でメディアファイル(ドキュメントや画像など)を簡単に同期できる。

大学でWordPressのマルチサイトを運用している場合は、マルチサイトならではの要件を処理してくれるWordPressサーバーを利用することが重要です。Kinstaのマルチサイト向けサーバーは、ステージング環境や高度なパフォーマンスの最適化などの機能を提供しており、最高のパフォーマンスを実現することができます。
また、KinstaのPHPパフォーマンスアドオンを組み合わせると、以下が可能になります。
- PHPメモリプール総量の増加
- PHPスレッド数の増加
- PHPメモリ上限の引き上げ
このような機能拡張で、マルチサイト全体で高速でスケーラブルかつ安定したパフォーマンスを維持できます。
12. 多言語/翻訳プラグイン
世界各地の学生をターゲットにしている国際的な教育機関では、サイトコンテンツを複数の言語で提供したいはずです。
WordPressには多言語機能が組み込まれていませんが、優れた多言語プラグインを使えば簡単に実現可能です。

ウェブサイトのローカライゼーションにおすすめのプラグインは以下の通りです。
- TranslatePress:サイトのコンテンツを完全手動または自動で翻訳できるフリーミアムプラグイン。翻訳をローカルに保存し、視覚的なインターフェースから管理することができる。人気モデルによる独自の自動翻訳サービスを提供するほか、Google 翻訳やDeepLに直接接続することも。
- WPML:手動または自動でコンテンツを完全に翻訳できる有料プラグイン。翻訳をローカルに保存し、翻訳を管理するための複数のインターフェースを提供。自動翻訳を使用する場合は、複数の機械翻訳サービスから選択できる。
- Polylang:無料のコア機能として手動翻訳をサポートするフリーミアムプラグイン。有料版ではDeepLの自動翻訳を追加することができ、サードパーティの拡張機能でその他の機械翻訳サービスを追加することも可能。
13. パフォーマンスプラグイン
訪問者が高速にコンテンツを届けるのは、すべてのウェブサイトに共通する目標でしょう。
Kinstaの教育機関向けWordPress専用マネージドクラウドサーバーには、パフォーマンスを最適化する機能が多数搭載されているため、利用するだけでパフォーマンスを改善することができ、パフォーマンスプラグインを別途する必要性が低減します。最適化されたインフラストラクチャに加えて、サーバーレベルのキャッシュ、コンテンツデリバリネットワーク(CDN)とエッジキャッシュ、および画像の最適化などがその一例です。

パフォーマンス最適化機能のないサーバーをご利用の場合は、パフォーマンスを改善してくれるプラグインの利用をおすすめします。
おすすめのWordPressパフォーマンスプラグインは以下の通りです。
- WP Rocket:一般的なパフォーマンス最適化対策を含むオールインワンの有料プラグイン。
- FlyingPress:WP Rocketと似たオールインワンの有料プラグイン。
- Perfmatters:ページ単位でスクリプトを有効・無効にできる便利な機能など、細かなパフォーマンス戦略が多数組み込まれた有料プラグイン。
無料のQuery Monitorプラグインも、パフォーマンスの問題をデバッグするのにとても便利だが、それだけではサイトをスピードアップさせることはできない。
まとめ
今回は、大学や学校などの教育機関のWordPressサイトにおすすめしたいプラグインを一挙ご紹介しました。これらのプラグインを利用して、学生や入学希望者、教職員などに優れたデジタル体験を提供しましょう。
適切なプラグインは、学校それぞれの独自の要件によって大きく異なります。例えば、サイトの運営に不可欠な機能の実装にサードパーティソフトウェアが必要になる場合もあれば、自己ホスティング型の学校サイト管理プラグインだけで事足りる学校もあるかもしれません。
WordPressを利用して優れたウェブサイトを実現するには、適したプラグインの選択だけでなく、高機能で信頼性に優れたサーバーも非常に重要です。
Kinstaの大学・教育機関向けクラウドサーバーは、あらゆる規模の組織のWordPressサイトのホスティングに適しています。ご興味がございましたら、KinstaのWordPress専用マネージドクラウドサーバーをぜひお試しください。