Kinsta MU(Must-Use、和訳:必須)は、弊社WordPressホスティングプラットフォームのために設計されたプラグインで、フルページキャッシュKinstaのCDN統合などの処理を行います。

Kinsta MUプラグインはすべてのお客様のサイトにデフォルトでインストールされており、WordPress管理画面の左側メニューからお使いいただけます。Kinsta MUは、お客様のサイトが弊社の環境でスムーズに動作するために必須のプラグインです。

Kinsta MUプラグインのインストール

お客様ご自身でサイトを移行した場合、またはWordPressを手動でインストールした場合は、Kinsta MUプラグインがインストールされていない可能性があります。弊社では、Composerを使用していないサイトや、wp-contentディレクトリまたはmu-pluginsディレクトリ全体をGitで管理していないサイトでは、プラグインのインストールと定期的な更新は自動で行われます。Kinsta MUプラグインをインストールしたい、またはインストールする必要がある場合は、以下いずれかの方法に従ってください。

SFTP経由でインストールする

1. mu-pluginsフォルダの作成

SFTP経由でサイトに接続し、wp-contentフォルダに「mu-plugins」というフォルダが存在しない場合は、作成してください(パス:/wp-content/mu-plugins/)。

FTPでmu-pluginsフォルダを取得
FTPでmu-pluginsフォルダを取得

2. プラグインのダウンロードと解凍

mu-pluginsフォルダを作成したら、Kinsta MUプラグインをダウンロードし、解凍してください。

3. サイトにアップロード

/wp-content/mu-plugins/ディレクトリにkinsta-mu-pluginsフォルダとkinsta-mu-plugins.phpファイルをアップロードします。

FTPでKinsta MUプラグインフォルダとファイルをアップロード
FTPでKinsta MUプラグインフォルダとファイルをアップロード

これでプラグインのインストールが完了です。WordPressの管理画面にログインして「プラグイン」>「Must-Use」に移動すると、プラグインが表示されます。

Composer経由でインストールする

サイトがBedrockまたはComposerを使用するボイラープレートやフレームワークで構築されている場合は、Kinsta MUプラグインのインストールの手順が異なります。

1. Kinsta MUプラグインのパッケージリポジトリを宣言

まずは、Kinsta MUプラグインをパッケージリポジトリとしてcomposer.jsonファイルのrepositories配列に宣言します。


    {
      "type": "package",
      "package": {
        "name": "kinsta/kinsta-mu-plugins",
        "type": "wordpress-muplugin",
        "version": "2.3.7",
        "dist": {
          "url": "https://kinsta.com/kinsta-tools/kinsta-mu-plugins.zip",
          "type": "zip"
        }
      }
    }

なお、技術的にはバージョン番号を有効なものに設定できますが(特定のzipファイルからプラグインをインストールするため)、プラグインを更新するたびに変更が必要になります。したがって、最新のKinsta MUプラグインでバージョンの確認を行うことをお勧めします。

2. Kinsta MUプラグインの要求

次に、サイトのbedrockディレクトリ(またはcomposer.jsonファイルがあるディレクトリ)で以下のコマンドを実行します。

composer require kinsta/kinsta-mu-plugins

または、composer.jsonファイルのrequire配列にKinsta MUプラグインを追加してください。以下は、Kinsta MUプラグイン追加後のBedrockサイトのrequire配列の例です。


"require": {
    "php": ">=7.4",
    "composer/installers": "^2.1",
    "vlucas/phpdotenv": "^5.4",
    "oscarotero/env": "^2.1",
    "roots/bedrock-autoloader": "^1.0",
    "roots/bedrock-disallow-indexing": "^2.0",
    "roots/wordpress": "5.9.3",
    "roots/wp-config": "1.0.0",
    "roots/wp-password-bcrypt": "1.1.0",
    "kinsta/kinsta-mu-plugins": "^2.3"
  },

3. Kinsta MUプラグインアセットのパスを修正

MUプラグインが使用するアセットへのパスを修正するには、サイトの設定ファイル(Bedrockサイトではbedrock/config/application.php)に以下を貼り付けます。

/**
 * Fix for Kinsta's CDN with Bedrock
 */
define('KINSTA_CDN_USERDIRS', 'app');

/**
 * Fix Kinsta MU Plugins URL path with Bedrock
 */
$mu_plugins_url = Config::get('WP_CONTENT_URL') . '/mu-plugins';
define('KINSTAMU_CUSTOM_MUPLUGIN_URL', "{$mu_plugins_url}/kinsta-mu-plugins");

Git経由でインストールする

サイトでGitを使用している場合、Kinsta MUプラグインのインストールが必要かどうかは、Gitでサイトのどの部分を管理しているかによって異なります。

wp-contentディレクトリまたはmu-pluginsディレクトリ全体をGitリポジトリで管理している場合は、ローカルリポジトリにプラグインをダウンロード、インストールし、その変更をコミットしてからサイトにデプロイします。ローカルにプラグインをインストールするには、プラグインをダウンロードしてサイトのmu-pluginsディレクトリにプラグインファイルを配置してください。

GitリポジトリにKinsta MUプラグインのコピーがない場合、Kinsta MUは自動インストールされます。

Kinsta MUプラグインの設定

Kinsta MUプラグインは、弊社インフラストラクチャでスムーズに機能するように設計されているため、ほとんどの場合、設定の変更は必要ありません。固定ページや投稿を更新するたびに、サイトの重要な部分のキャッシュが自動的にクリアされます。

プラグインは、WordPress管理画面の左側メニューに「Kinsta Cache」として表示されます。また、以下のように上部ツールバーにも「Clear Caches」の文字が出現します。

WordPress管理画面に表示されるKinsta MUプラグイン(Kinsta Cache)
WordPress管理画面に表示されるKinsta MUプラグイン(Kinsta Cache)

手動でキャッシュをクリアする

以下のいずれかの方法で、WordPressサイトのキャッシュをクリアすることも可能です。

  • WordPress管理画面の「Kinsta Cache」ページで「Clear All Caches」をクリック
  • WordPress管理画面のツールバーの「Clear Caches」をクリック
  • MyKinstaでサイトキャッシュCDNキャッシュをクリア(エッジキャッシュを有効にしている場合は、サイトキャッシュをクリアすると、エッジキャッシュもクリアされます)
  • コマンドラインwp kinsta cache purge --allを実行
WordPress管理画面で「Clear Caches」をクリックしてキャッシュをクリア
WordPress管理画面で「Clear Caches」をクリックしてキャッシュをクリア

独自のキャッシュURLを追加する

Kinsta MUプラグインによって、トップページなどの重要なページは即座にクリアされ、アーカイブページに対し最小限のスロットルタイムが設定され、常に高い可用性が確保されます。ただし、サイトの構成によっては、キャッシュルールの追加が必要です。サイトが更新されるたびにパージするカスタムパスを追加できます。

1. シングルパスの独自URLを追加

特定のURL(投稿または固定ページ)でキャッシュをクリアする場合、WordPress管理画面の「Kinsta Cache」ページに以下のようなシングルパスルールを追加します。

  • important-page
  • important-page/
シングルパスの独自URL
シングルパスの独自URL

2. グループパスの独自URLを追加

グループパスは、その特定のURLで始まるすべてのURLをパージします。カスタム投稿タイプを作成していて、その投稿とその下の投稿のキャッシュをクリアしたい場合に特に有用です。例えば、https://yourdomain.com/custom-post-type/をグループパスのURLとして追加すると、以下のキャッシュがクリアされます。

https://yourdomain.com/custom-post-type/
https://yourdomain.com/custom-post-type/post-1
https://yourdomain.com/custom-post-type/post-2
https://yourdomain.com/custom-post-type/post-3
グループパスの独自URL
グループパスの独自URL

その他の注意事項

投稿や固定ページの更新でサイト全体のキャッシュをクリアするトリガーになるため、パスとしてスラッシュ(/)だけを追加することは控えてください。この方法ですべてのキャッシュをクリアすると、特に高い負荷がかかる際や頻繁にコンテンツを公開する際に、サーバーリソースが大量に消費されます。また、すべてのキャッシュを再キャッシュする必要があるため、訪問者に対するサイトのパフォーマンスが低下する可能性もあります。

顧客に提供する際、プラグインをホワイトラベル化し、弊社のブランディングを非表示にすることも可能です。

Kinsta MUプラグインを更新する

サイトでComposerまたはGitを使用していない場合、Kinsta MUプラグインは定期的に自動更新されます。お客様の方で行う操作はありません。

SFTP経由で更新する

プラグインを手動で更新する必要がある場合(古いバックアップを復元してしまった、または更新が計画通りに実行できなかったなど)、SFTPを使用して更新可能です。

  1. Kinsta MUプラグインをダウンロードして、解凍する。
  2. kinsta-mu-pluginsフォルダとkinsta-mu-plugins.phpファイルを/wp-content/mu-plugins/ディレクトリにアップロードし、SFTPクライアントでプロンプトが表示されたら、既存のファイルを上書きする。
  3. 古いプラグインファイルが新規ファイルで上書きされ、プラグインが最新バージョンに更新される。

Composer経由で更新する

  1. composer.jsonファイルのKinsta MUプラグインリポジトリ宣言のバージョン番号を更新してください。
        {
          "type": "package",
          "package": {
            "name": "kinsta/kinsta-mu-plugins",
            "type": "wordpress-muplugin",
            "version": "2.3.7",
            "dist": {
              "url": "https://kinsta.com/kinsta-tools/kinsta-mu-plugins.zip",
              "type": "zip"
            }
          }
        }
  2. サイトのbedrockディレクトリ(またはcomposer.jsonファイルがあるディレクトリ)でcomposer update kinsta/kinsta-mu-pluginsを実行します。

Git経由で更新する

Gitを使用している場合、Gitで管理している部分によって更新手順が異なります。

wp-contentディレクトリ全体あるいはmu-pluginsディレクトリをGitリポジトリで管理している場合は、ローカルリポジトリでプラグインを更新し、その変更をコミットしてからサイトにデプロイします。ローカルで更新するには、プラグインをダウンロードし、リポジトリにある既存のプラグインファイルを上書きしてください。

GitリポジトリにKinsta MUプラグインのコピーがない場合、Kinsta MUは自動的に更新されます。