エッジはCloudflareのグローバルネットワークを用いた技術で、コンテンツをエンドユーザーに近い場所に配置することができます。
一般的なクラウドコンピューティングでは、データや処理タスクはデータセンターにある集中型サーバーに送られます。つまりこのサーバーが、さまざまなアプリケーションのデータ保存、処理、配信を担います。しかし、処理のためにデータを遠くのデータセンターに送ることは、待ち時間、帯域幅の制限、リアルタイム処理の必要性などの要因により、時に効率的でないことがあります。
そこで登場するのがエッジです。ネットワークのエッジに(エンドユーザーやデバイスの近くに)コンピューティングリソースやサービスを配置することで、クラウドの機能を拡張することができます。Kinstaの静的サイトホスティングでは、260+のロケーションから成るCloudflareのコンテンツデリバリネットワーク(CDN)を採用しています。
静的サイトのアセットは上述のCDNロケーション(エッジ)に自動で保存されます。これにより、サイト訪問者に近い場所から、効率的にCDNアセットを配信することが可能になります。集中管理されたクラウドサーバーとの往復にかかるデータの転送時間が短縮し、レスポンスタイムの高速化、レイテンシの低減、リアルタイムまたはそれに近い処理を必要とするサイトのパフォーマンス向上が実現します。
エッジは、プリレンダリングされたHTML、CSS、JavaScriptファイルで構成され、サーバーサイドでの処理やデータベースへのクエリを必要としないため、静的なサイトに有用です。また、サーバーサイドの処理に依存しないため、高トラフィックの負荷にも効率的に対応できます。エッジはコンテンツを独立して提供できるため、オリジンサーバーの負荷が軽減され、全体的なパフォーマンスやサイトの信頼性が向上し、障害発生の可能性が減少します。
また、コンテンツをエッジに配信することで、ネットワークの問題に対する耐障害性が向上し、必要な帯域幅が削減され、データ転送コストが最小限に抑えられるため、コスト効率の最適化も期待できます。