Kinstaの無料のCloudflare統合は、ほとんどのお客様で適切に動作します。しかし、もっと細かな制御が必要だったり、Kinstaの統合では提供されない機能をCloudflareで実装したい場合もあります。このとき、Kinstaでサイトをホストしながら、お客様ご自身のCloudflareアカウントを使用するように、サイトを切り替えられます。
注意:
- この記事では、すでにKinstaにサイトを追加、検証済みで、ドメインと紐付けられているものとします。
- ここで紹介する手順は、独自のCloudflareアカウントを使用するように既存のドメインを切り替える方法です。Cloudflare統合の始め方ではありません。
- 独自のCloudflareアカウントを使用するには、ドメインのネームサーバーをCloudflareに紐付ける必要があります。すなわち、現在、KinstaのDNSを使用している場合は使用できなくなり、ドメインのDNSはCloudflareで管理されます。
Cloudflareのインストールと構成
Cloudflareのアカウントをまだ持っていない場合は、サインアップページにアクセスしてください。
ステップ1
Cloudflareアカウントにドメインを追加します。プロンプトが表示されたら、ドメインに必要なCloudflareプランを選択します(Kinstaでの動作にminimumプランは必要ありません)。

ステップ2
Cloudflareは、ドメインのDNSレコードを取り込みます。ドメインのすべてのDNSレコードが正しくコピーされたことを再度、確認してください。

ステップ3
- Cloudflare DNSの既存のすべてのAレコードを削除します。
- ルートドメイン(Apexドメイン)に、「hosting.kinsta.cloud」と紐付けるCNAMEレコードを追加します。
Cloudflareのドメインに新しいCNAMEレコードを追加する - www用のCNAMEがすでにある場合は、ルート/Apexドメイン(@)または「hosting.kinsta.cloud」と紐付けます。www用のCNAMEがない場合は、ルート/Apexドメイン(@)、または「hosting.kinsta.cloud」と紐付けるCNAMEを作成します。
- 両方のCNAMEレコードに対してオレンジ色の雲(プロキシ)が有効になっていることを確認し、「Continue(続行)」ボタンをクリックします。
Cloudflareの両方のCNAMEレコードでオレンジ色の雲(プロキシ)が有効
ステップ4
ドメインレジストラで、ドメインのネームサーバーを更新し、Cloudflareアカウントで提供されるネームサーバーと紐付けます。

伝搬期間中、サイトは停止せずに動かし続けてください。MyKinstaのドメインのステータスが「ドメインのDNSレコードがKinstaと紐付いているかを確認しています。」に変わる場合があります。これは正常な動きで、伝搬が完了すると消えます。
Cloudflare WordPressプラグイン
Cloudflareプラグインは必須ではありませんが、推奨します。プラグインの特徴です。
- WordPressのコメントが同一IPアドレスから表示される不具合の修正
- キャッシュの自動消去
- CloudflareのユニバーサルSSLが有効な場合、リダイレクトループを防ぐヘッダーリライト
- Cloudflareアカウントの設定をプラグイン本体から変更する機能(キャッシュ消去、セキュリティレベル、画像最適化など)
- 総訪問者数、節約した帯域幅、ブロックした脅威などの分析の表示
- HTTP2/サーバープッシュのサポート
プラグインのインストール後に、Cloudflareアカウントで使用しているメールアドレスとAPIキーを入力する必要があります。APIキーはCloudflareプロフィールの「API Tokens」ページで確認できます。「Global API Key」をコピーし、プラグインの設定に追加して、「Save API Credentials」をクリックします。

Cloudflareでよくある問題のトラブルシューティング
CDNやプロキシのような複雑なレイヤーを追加すると、期待通りに動作しない場合があります。以下は、独自のCloudflareアカウントを使用する際に発生する、最も一般的な問題とその解決策です。
変更内容がサイトに表示されない
独自のCloudflareアカウントを使用すると、サイトにはキャッシュレイヤが追加され、追加のキャッシュのクリアが必要になります。サイトの変更が正しく表示されない、またはプラグインのインストールや再インストール後、期待通りに動作しない場合、以下のすべてのレイヤーのキャッシュをクリアしてください。
- プラグイン(該当する場合)
- テーマ(該当する場合)
- Kinstaのサイトやサーバーのキャッシュ(MyKinstaまたはKinsta MUプラグインのいずれかから)
- Cloudflareのキャッシュ(CloudflareダッシュボードまたはCloudflareプラグインのいずれかから)
- ブラウザのキャッシュ
SSLエラー
以下のエラーが表示される場合、通常は、CloudflareでFlexible SSLの設定を有効にしていることが原因です。
- ERR_TOO_MANY_REDIRECTS(Chromeの場合)
- The page isn’t redirecting properly(ページが正しくリダイレクトされません)(Firefoxの場合)
この問題を解決するには、CloudflareのドメインのSSL/TLS暗号化モード(「SSL/TLS」>「Overview」)を「Full」に設定してください。
高度な設定と互換性
KinstaのCloudflare統合を独自のCloudflareアカウントで使用する際には、さらにいくつかの重要な注意点があります。Cloudflareの特定の設定について、以下で回答を得られない場合は、より詳細な記事「Cloudflareの設定とKinstaのCloudflare統合との連携について」をご覧いただくか、チャットからカスタマーサポートにお問い合わせください。すぐに確認致します。
Auto Minify(自動圧縮)
CloudflareとKinstaのCDNで有効化できますが、両方で有効化するメリットはありません。
自動プラットフォーム最適化サービス(APO)
エッジキャッシュを利用する場合、APOは利用いただけません。この2つの機能には互換性がないため、どちらかを選択してご使用ください。
Cloudflare Apps
Cloudflare Appsは、KinstaのCloudflare統合でも動作します。Cloudflare Appsの設定はCloudflareダッシュボードで管理できます(MyKinstaではありません)。
Cloudflareページルール
ページルールは、まずCloudflareの独自アカウントから適用されます。これにより、エッジでリダイレクトを設定できます。注意:キャッシュに関連する特定のページルールが予期しない動作をする場合があります。問題が発生した場合はチャットからカスタマーサポートに問い合わせ、キャッシュ関連の競合のトラブルシューティングを行ってください。
Cloudflare Workers
Cloudflare Workersは互換性があります。ただし、ワーカースクリプトがサイトのURLを変換し、MyKinstaでサイトに追加したドメインを読み込めない場合、互換性はありません。
Brotli
Brotliは、KinstaのCloudflare統合で有効で、オフにはできません。Cloudflareアカウントでこれを無効にしても、KinstaのBrotli設定はオンになっており、サイトに対して有効なままです。
ファイアウォールの設定
Cloudflareの独自アカウントで構成された設定が最初に適用されます。これは、IPアドレスがKinstaのファイアウォール設定によってブロックされている場合、設定は上書きできないことを意味します。もし、ファイアウォールのログに表示がないにも関わらず、リクエストがブロックされる場合、チャットからカスタマーサポートに問い合わせ、Kinstaのファイアウォールでのブロックの有無を確認してください。
Polish
Cloudflareの独自アカウントからの設定は適用されません。
Rocket Loader
KinstaのCloudflare統合ではデフォルトでオフになっていますが、独自のCloudflareアカウントで有効にでき、動作します。
Waiting Room
CloudflareのWaiting Room機能は、追加設定なしで動作します。
KinstaのCloudflare統合と互換性のない設定と機能
以下の設定は、すでに有効になっているか、KinstaのCloudflare統合と互換性がないため、独自のCloudflareアカウントで新しく追加されたサイトにはオンにしないでください。
- Argo tunnel
- Websocket
- Polish + Webp