WordPressの使用を検討していてこの記事に辿り着いた方には、この記事がお役に立つはずです。WordPressを使用するかどうかを検討している場合、すでにWordPressについて調べたことがあるか、あるいは友人や同僚から評判を聞いたことがある方がほとんどでしょう。しかし、WordPressを使用する具体的なメリットとデメリット、そして利用できる機能まではまだ把握していないのではないでしょうか。
そこでこの記事では、WordPressが世界で最も人気のコンテンツ管理システム(CMS)およびサイト構築ソフトウェアである理由、そしてWordPressを使用するメリットを掘り下げていきます。その機能性にきっと驚くはずです。
サイト作成にWordPressが選ばれる10の理由
WordPress、Joomla!、Shopify、Magento、Wix、Weeblyといったソフトウェアは、いずれもウェブサイトを作成するのに使用するプラットフォームであり、サイトを作ろうと色々と調べ始めると、度々耳にすることになるはずです。それぞれに良さがあり、特定の目的を持ったニッチなウェブサイトに特化したものも多数あります。例えば、ShopifyはECサイトに特化したプラットフォームです。そのため、まずはブログを開設し、後からECサイトを展開する場合には、Shopify以外のものを利用する方がいいでしょう(その他のおすすめECプラットフォームはこちら)。また、Magentoにも特定の用途があります。基本的には、幅広い用途に対応するサイトビルダーの方が人気があります。
SquarespaceからWixに至るまで、ユーザーの経験値に応じて無数の選択肢がある中、なぜWordPressを利用すべきなのでしょうか。これには、以下10個の理由があります。1つずつ詳しく見ていきましょう。
- 無料かつオープンソースのソフトウェア
- あらゆる種類のサイトを構築できる
- 多くのメディアタイプに対応
- 学習しやすい&コミュニティサポート
- テーマやプラグインで容易に拡張可能
- サイト管理が容易
- SEOファースト
- ウェブサイトを完全管理できる
- 業界トップクラスのブログ機能
- 多くの人が利用している
1. 無料かつオープンソースのソフトウェア
WordPressには、WordPress.comとWordPress.orgの2種類あり、いずれも無料で利用することができます。両者の違いはこちらで詳しくご紹介していますが、一言で表すなら、WordPress.orgは自己ホスティング型です。サイトを高度に管理したり、プラグインを使ってサイトの機能を拡張したりすることができます。WordPress.comは初心者向けで、ホスティング一体型。ただし柔軟性や機能に制限があるため、サイトを収益化するには、WordPress.comからWordPress.orgに移行することをおすすめします。WordPress.comには有料プランもあり、個人で趣味のブログの運営に適しています。
WordPressは誰でも無料でダウンロード可能です。2003年から続くオープンソースプロジェクトであるWordPressは、多くのボランティアによって開発されています。オープンソースソフトウェアの多くは、無料で利用でき、大規模なコミュニティによって支えられています。ベータテストを行ったり、単に製品を広めたりすることで、コミュニティに貢献することができますが、あくまで任意です。
注意)WordPressのソフトウェア自体は無料ですが、自己ホスティング型であることから、サイトを運営するには、別途ホスティングが必要になります。月額3ドル程度の格安サーバーから、月額数百ドルのKinstaのような速度とパフォーマンスに優れた選択肢まで、様々です。
テーマやプラグインは無料で入手できるものもありますが、より高度な機能とサポートが付帯する有料のものもあります。また、追加サービスに投資が必要になる場合も。例えば、ロゴのデザインや、CSSコードの調整。またサイトによっては、グラフィックデザイナーやサイトの保守管理に専任のスタッフを確保しなければならなくなるかもしれません。
実際にかかる費用は、経験値やサイトの規模によって異なりますが、WordPressを選べば、費用を最小限に抑えることができます。実際、WordPressサイトの管理者の多くは、ホスティングにしかお金を使っていません。
実例
WordPress.orgにアクセスすると、製品の基本的な説明があります。サイトにあるボタンは、(メニューを除くと)「WordPressを入手」というリンクのみです。
ページ右上にある「WordPressを入手」をクリックすると、ダウンロードページに移動します。ダウンロードページは、最新リリースに応じて頻繁に更新されています(この記事の執筆時点ではWordPress 6.3.1)。ソフトウェアを無料でダウンロードする前に、バナー広告が表示されたり、アンケートへの回答を促されたりすることはありません。このページでは、いくつかの説明、ベータ版のリリース、要件、ソースコード、アーカイブ、ダウンロードカウンターなどに加えて、複数のダウンロードオプション(.zipや.tar.gzファイルなど)、適切にインストールすための手順なども確認することができます。
簡単なインストール方法
ホスティング会社が提供するWordPressインストール機能を利用すれば、さらに簡単にWordPressを入手可能です。優れたホスティングサービスの多くは、ワンクリックでWordPressをインストールして、数分でWordPressを起動することができます。例えばKinstaでは、専用コントロールパネル「MyKinsta」にログインし、「サイトを追加」をクリックするだけ。
この方法なら、ファイルを管理したり、FTPでアップロードしたりする必要がありません。KinstaのWordPress専用マネージドホスティングなら、インストール、メンテナンス、セキュリティ、バックアップなどの処理を一任することができます。
また、WordPressの新しいバージョンがリリースされるたびに、ダウンロードページに戻る必要はありません。WordPressの管理画面に更新の通知が表示され、通常1分以内に更新することができます。
2. あらゆる種類のサイトを作成できる
WordPressはよく、ブログサイト専用と誤解されがちです。
確かに、WordPressは当初ブログプラットフォームとして開発されましたが、その後時を経て、大きな成長を遂げています。
WordPressがブログプラットフォームとして出発している点には大きなメリットがあり、ブログの執筆から公開までのプロセスはシンプルかつ非常に高速です。そしてこの機能は、WordPressに標準装備されています。
他のサイト構築ツールの中には、デザインやアプリを重視し、ブログのインターフェースは後回しになっているものも。WordPressの強力なブログ機能によって、美しいECサイトを作りながら、サイトを発展させる上で欠かせないブログにも力を入れることができます。
実例
WordPressでは、例えば以下のようなウェブサイトを作成することができます。
- ブログ
- ビジネスサイト
- ポートフォリオ
- フォーラム
- ECサイト
- レビューサイト
- 会員制サイト
- オンライン学習サイト
- チャットルーム
- ギャラリー
- 自己PRサイト
- 求人サイト
- 企業情報まとめサイト
- Yahoo!知恵袋のようなQ&Aサイト
- 非営利団体が寄付を募るためのサイト
- Wikiと知識ベース
- YouTubeのようなメディア中心のサイト
- オークションサイトやクーポンサイト
…と、挙げればキリがありません。WordPressの良いところは、フォーラムやECサイトなどの機能を、シンプルなプラグインとテーマで実現できる点。例えば、ウェブデザイナーがオンラインポートフォリオを作成するには、以下のようなテーマがおすすめです。手頃な価格で購入し、デモデータをアップロードして、必要に応じて自分好みにスタイルを変更するだけでサイトが完成します。
以下は、WooCommerceプラグインと組み合わせた、人気の高いECテーマです。WooCommerceは、通常のWordPressサイトを、決済処理、ショッピングカート、商品ギャラリーなどのEC機能を備えたオンラインストアに変換することができます。WooCommerceのインストール方法はこちらをご覧ください。
Easy Digital Downloads(デジタル製品の販売に特化)やWP Ecommerceなど、他にも多数のECプラグインがあります。Easy Digital Downloadsのインストール方法はこちらでご紹介しています。
フォーラムサイトの例も見てみましょう。以下のサイトはテーマを使って構築されていますが、フォーラム作成プラグインを使って作成する手もあります。使用を決めたテーマにフォーラム機能がなくても、プラグインで実現可能です。これこそが、WordPressでサイトを作成する醍醐味です。必要な機能を書き出し、Googleで要件に合うプラグインやテーマが存在するかどうか調べてみてください。高確率でソリューションが見つかるはずです。
3. 多くのメディアタイプに対応
WordPressで使用可能なファイルタイプは、大きく分けて以下のカテゴリに分類できます。
- 画像
- ドキュメント
- 音声
- 動画
あらゆるファイル形式がサポートされており、.jpg、.png、.gif、.pdf、.doc、.pptx、.mp3、.m4a、.mp4、.mov、.wmv、.aviなど、一般的な形式はすべてアップロード可能です。.odt、.key、.ogg、.3gpなども問題ありません。
SVGなど一部許可されていないファイル形式もありますが、これには回避策があります。WordPressでSVGを安全にアップロードする方法はこちらをご覧ください。
WordPressなら、写真、GIF、動画、ドキュメントの追加に困ることはありません。特定のページで公開することなく、文書やプレゼンテーションをサイト上でホストすることも可能です。
注意事項
WordPressは、あらゆる種類のメディアに対応していますが、法律に則り、所有権を持っているもの、無料でダウンロードできるもの、またはクレジット表記を入れて使用できるメディアのみを扱ってください。
合法的に使用できる写真や動画を探すには、以下のようなサイトがおすすめです。
WordPress向けの無料画像を探す方法はこちらでご紹介しています。
実例
WordPressのメディアサポートに関する優れた例として、Sony Musicのウェブサイトでは、楽曲と動画の両方を宣伝しています。そのため、いくつかの形式の動画と音声が扱われており、以下の大きなヘッダー写真からもわかる通り、画像も多用されています。ここまでメディアサポートが充実しているサイトビルダーは多くありません。
また、オンラインマガジンのVarietyもWordPressを使用しており、トップページには背景画像、短い動画、映画の予告編、アニメーション、楽曲、映画撮影やテレビ番組のギャラリーなど、様々なメディアがふんだんに使用されています。エンターテイメントを扱うサイトという特性上、記事がすべてメディア関連であり、これほどメディアを有効活用しているサイトは稀でしょう。
4. 学習しやすい&大規模なコミュニティ
WordPressはオープンソースで、誰でも使用することができます。そのため、ユーザー層は幅広く、予算や有料サポートの有無、経験値によって使用が制限されることもありません。もちろん、WordPressについて学ぶべきことはたくさんありますが、10分程度であれば、管理画面の操作やインターフェースの仕組みを理解できます。
WordPressについては、ブログやフォーラム、オンラインコース、セミナー、ウェビナー、書籍など、あらゆる方法で学習することができます。また、公式のサポートもあり、料金を支払って専用サポートを受けるか、WordPressのフォーラムを無料で利用することができます。
WordPressについて学習したり、素朴な疑問に答えてくれるリソースは無数に存在します。例えば、Kinstaのブログでは、WordPressにまつわるヒントを定期的に公開しており、隔週のニュースレターでも有益情報を配信しています。また気になることがあれば、Googleで検索すれば、大体解決策が見つかります(サクッと調べ物をしたいときには、WPBeginnerが便利です)。
実例
WordPressコミュニティも以下のような側面で、ユーザーのWordPress学習をサポートしています。
- 長期的な知識を培うための組織的なトレーニング
- WordPressの問題に対する解決策
WordPressの学習コースは無料のものもあり、手頃な価格で購入可能なわかりやすいオンラインコースには、社内やクライアントと共有できる情報が満載です。WP101は、以下のトピックに関する質の高い動画レッスンを提供しています。英語での学習に抵抗がなければ、ぜひチェックしてみてください。
- WordPress入門
- WooCommerce入門
- Yoast SEO
オンラインコースなどでWordPressの基礎知識を学んだら、早速ウェブサイトの作成に取り掛かります。WordPressには、いわゆるカスタマーサポートのようなサービスはないため、ブログ、フォーラム、Google、その他のオンラインコミュニティを活用することになります。WordPressの主要サポートフォーラムにアクセスすれば、サイト作成にまつわるほぼすべての問題を解決できるはずです。WordPressの修復、ネットワーク、ローカルホストのインストールなど、様々なトピックが網羅されています。もちろん、単にGoogleで検索することも可能ですが、フォーラムもブログも、問題を素早く解決するには欠かせません。
有料のプラグインやテーマは通常、ナレッジベース、フォーラム、チャットやメールなどによる、専用サポートを提供しています。
5. テーマやプラグインで容易に拡張可能
WordPressのテーマとプラグインを利用すれば、ウェブサイトを簡単に構築できることはすでに触れた通りですが、機能の拡張にも欠かせません。一般的なブログであれば、テーマをインストールしてデザインの調整を行ったら、すぐに記事を執筆し始めることができます。ビジネスサイトやポートフォリオサイトも同様です。
テーマは、サイトの土台となる存在で、テーマを選んだ後は、色の変更やロゴの追加などの最小限のデザイン作業を行えば、すぐにコンテンツを追加して、サイトを公開可能です。
しかし、時にはサイトに何か新しい要素を追加したいことも。例えば、顧客向けに会員制コンテンツを作成したり、毎月クイズを企画を公開して顧客と交流したりなど。そんなときはプラグインの出番です。
例えば、サイトの一部をコミュニティに変換することができる、優れた会員制プラグインは無料、有料含め多数あります。クイズプラグインも同様で、おすすめのクイズプラグインはこちらでご紹介しています。
テーマでサイトを拡張することも可能
サイトに機能を導入するには、プラグインを使用するのが通例です。サイトの立ち上げ自体に必要になるのは、通常1つのテーマのみです。
ところが、サイトが成長したり、業界が変化するにつれ、要件や需要も変動していくもの。例えば、Googleがモバイル対応のウェブサイトを評価することを発表した際には、1年も経たないうちに、WordPressテーマ開発者がモバイルフレンドリーデザインを販売し始めました。それに伴い、サイト所有者もSEOを考慮してテーマを変更しなければなりませんでした。
また、これから本格的に成長していくウェブサイトでは、以下のような理由でテーマの変更が必要になるのが一般的です。
- 外観を一新したい
- 無料テーマから優れた有料テーマを利用したい
- より良いサポートを受けられるテーマに変更したい
- オンラインビジネスの内容が変化してきた
- プラグインではできないことをテーマで実現したい
実例
WordPressテーマを探すのはとても簡単です。例えば、「不動産 WordPress テーマ」や「フラットデザイン WordPress テーマ」とGoogleで検索すれば、大量のテーマがすぐに見つかります。しかし、評判の良いWordPressテーマ販売ストアや開発者によるテーマを選ぶのが最善です。質の高いサポート、高速で最適化されたコード、そして長期的な更新などの特長を持つテーマを入手することができます。
評価の高い有名なテーマ販売ストアには、以下のようなものがあります。
- WordPressテーマディレクトリ
- ThemeIsle
- Proteus Themes
- Themify
- Elegant Themes
- Tesla Themes
- Theme Fuse
- MH Themes
- Meridianthemes
- Templatic
- MyThemeShop
- StudioPress
また、テーマのマーケットプレイスもありますが、更新が突然途絶え、サポートがなくなるテーマも掲載されていることがあるため、注意が必要です。とはいえ、種類は豊富で、質の高いテーマも存在するため、以下のようなマーケットプレイスをチェックしてみるのも手です。
プラグインもテーマ同様、無料版と有料版があります。テーマとは異なり、無料のプラグインを利用するのは一般的で、企業サイトでもよく使用されています。無料のテーマは、個人ブログには適していますが、本格的なサイトを作るには、50〜100ドル程度の有料テーマを購入するのが得策です。WordPressの無料・有料テーマの詳細についてはこちらをご覧ください。
しかし、プラグインの場合、無料かつ優れたプラグインは数多くあります。WordPressの管理画面でプラグインを検索するか、WordPressのプラグインライブラリで入手可能です。このライブラリには5万個以上のプラグインがあり、そのほとんどが無料で利用できます(または何らかの形でフリーミアムモデルを採用)。キャッシュからフォーラム作成、スパム対策、SNSプラグインまで、あらゆるものが揃っています。プラグインのインストールには数分もかからず、各プラグインのページにはスクリーンショット、機能一覧、デモが表示されます。
数々の有料プラグインも販売されており、無料と有料プラグインの主な違いは、サポートにあり、後者の方が手厚いサポートを受けることができます。有料プラグインを探すには、以下のプラットフォームがおすすめです。
6. サイト管理が容易
代行業者やウェブサイト制作会社にサイト作成を依頼すると、初期費用のほか、メンテナンスのための月額料金が発生し、かなり高額になることがあります。WordPressなら、基礎知識を学んで、適切なトレーニングを重ねれば、管理はそれほど難しくありません。ウェブサイトの管理には通常、次のような作業が含まれます。
サーバーの確認については、高い稼働率を保証する質の良いホスティングを選べば、自分で行う必要はありません。セキュリティとWordPressサイトのバックアップは、プラグインを使用するか、マネージドWordPressホスティングを利用すればOKです。その他の項目については、毎日実行する必要はありません。Kinstaのホスティングプランは、毎日の自動バックアップ機能があり、バックアップは14日間保存されます。復元が必要になれば、ワンクリックで実行可能です。
サイトを高速化するには、キャッシュプラグインのインストールをおすすめします。また、SEO対策にもプラグインを利用しましょう。スパムの管理については、AkismetプラグインがあればOKです。リンク切れ対策プラグインも有用です。
実例
自分で行うサイト管理業務は、プラグイン、テーマ、そしてWordPressの更新程度です。WordPressについては、新しいバージョンがリリースされると、通知が表示されるため、通知を確認次第、更新してください。更新作業には数分もかからないため、すぐに通常業務に戻ることができます。
その他のサイト管理タスク(SEO、バックアップ、スピード、セキュリティ、リンク切れ対策、スパム対策など)は、すべてプラグインで賄えます。例えば、WP Time Capsuleは、新たに追加されたファイルとデータベースのバックアップを作成する画期的なツールで、バックグラウンドで実行されます。ファイルが破損したり、サイトがクラッシュしたりしても、復元機能があるため安心です。
管理作業を簡素化する方法については、こちらの記事も参考になりそうです。
7. SEOファースト
WordPressはまた、SEOを考慮したプラットフォームとしても知られています。例えば、検索エンジンがサイトのコンテンツをクロールしてインデックスに登録し、表示順位を上げるのに役立つタイトルタグとメタディスクリプションをすべての固定ページおよび投稿で自動生成します。コア機能に加えて、プラグインやオンラインツールでさらに高度なSEO機能を実装することも可能です。おすすめプラグインは以下の通り。
実例
Yoast SEOは、WordPressサイトのSEO対策に欠かせません。WordPressのコア機能もなかなかのものですが、SEO対策をさらに次のレベルに引き上げることができます。
Yoast SEOの機能の1つに、フォーカスキーフレーズというものがあり、固定ページまたは投稿で指定することができます。ターゲットとするキーワードを入力すると、現在の投稿や固定ページを分析し、そのキーワードをターゲットにする効果がどの程度あるのかが検証されます。キーワードの出現率や位置に関する考察、SEOタイトルの評価、ページタイトルの提案などが表示されるため、この情報をもとにコンテンツのSEOを最大限強化することができます。
SEOを強化する60のヒント、オーガニックトラフィックの増加に役立つおすすめのWordPress SEOプラグインも併せて参照してください。
8.ウェブサイトを完全管理できる
Googleで「サイトビルダー」または「サイトプラットフォーム」と検索して見つかる記事では、だいたいWordPressが紹介されています。その他の競合プラットフォームには、WIX、Squarespace、Joomla!、Magento、Shopify、Weebly、Jimdoなどがあり、どれも優れた選択肢ですが、Squarespace、Shopify、WIXのようなクローズドソース製品では、以下のような制限が生じます。
- EC機能が標準搭載されているため、プラグインで拡張する余地がほとんどない。
- 通常ホスティングは提供されるものを使用することになり、選択の自由がない。
- コードの調整に限界があり、例えばShopifyでは、独自のテンプレート言語「Liquid」に縛られることがある。つまり、エディターで対応できない変更については、開発者の採用が必要。
- 技術的には、ウェブサイトを「借りている」形になり、サイトとコンテンツを完全に所有することはできない。支払いをやめると、すべてのファイルやページが失われるか、ソフトウェア販売元に保持される。その点、WordPressではファイルを完全に所持することができる。
実例
WordPress管理画面の「外観」タブでは、あらゆるカスタマイズを行うことができます。テーマ、フォント、色、ウィジェット、メニュー、ロゴ、コードは、ほぼすべてこのタブで調整可能です。初心者から上級者まで誰でも操作することができ、コード編集を最小限に抑え、開発プロセスが高速化されます。
さらに、いくつかのテーマには独自のカスタマイズモジュールがあり、ドラッグ&ドロップ式のエディターを導入すれば、コーディングがほぼ不要になります。
また、WP管理画面、ホスティングアカウント、またはローカル環境を通じて、サイトのファイルにアクセスし、より高度な編集を行うことも。Google アナリティクス用コードの挿入も、ランディングページのCSSの全面的な見直しも、WordPressなら難なく実行可能です。
9. 業界トップクラスのブログ機能
ブログプラットフォームとして出発したWordPressは、優れたブログ機能を持っており、これを超えるプラットフォームは現状ありません。Tumblr、Medium、Ghost、Bloggerなどは、趣味で使用する分にはまったく問題ありませんが、プロフェッショナルな用途にはWordPressを使用するのが一般的です。WordPressのエディターには、想像を超えるほどのツールが揃っています。
フォーマットやメディアツールを活用して、シンプルな個人ブログを運営したり、予約投稿を設定し、投稿者と編集者に複数のユーザー権限を設定すれば、オンラインマガジンも構築可能です。さらに、プレビュー、投稿の編集、コードを完全に排除する設定も。
実例
WordPressの優れたブログ機能の1つは、パーミッション(ユーザー権限)。例えば、「管理者」は、ファイル、プラグイン、SEO、セキュリティツールにアクセスでき、「編集者」や「投稿者」は、ブログ記事以外の操作を行うことができません。
また、「編集者」は記事の編集と公開を行えますが、「寄稿者」は記事の作成のみ可能で、記事を公開する権限は持ちません。
エディターのインターフェースを見ると、いかに機能性に優れ、よく整理されているかがわかります。例えば、ワンクリックでメディアを追加したり、フォーマットを変更したりすることができます。また、タイトルとパーマリンクを変更したり、カテゴリ、タグ、読みやすさを調整したりする設定も。リビジョンも表示されるため、必要があれば過去にさかのぼって復元も可能で、プレビューの確認や記事の公開も非常に簡単です。
「ビジュアル」表示では、エンドユーザーに表示されるのと同じようにHTMLがレンダリングされ、「テキスト」表示に切り替えると、投稿内容をHTML形式で編集することができます。
10. 多くの人が利用している
「みんな使っているから」という理由で何かを選ぶことは、必ずしも賢い判断とは限りません。しかしWordPressの人気は、その性能や拡張性、使いやすさを裏付けています。インターネット上にあるウェブサイトの29.3%以上がWordPressを使用しているのには、理由があります。
SEOの第一人者であるPatrick Coombe氏が、inbound.orgでサイト所有者やマーケターに「ウェブサイトをゼロから作り直すとしたら、何を変えるか」というアンケートをとったところ、WordStreamの創業者、Larry Kim氏は以下のように回答しました。
Drupalではなく、WordPressを使う(和訳)
WordPressとDrupalの徹底比較はこちらをご覧ください。
WordPressは間違いのない選択肢であり、リスクなしで試してみることも可能です。前述の通り、WordPressのソフトウェア自体は無料で、ホスティンに関しても、無料トライアルや返金保証を提供している会社は少なくありません。
WordPressに精通したユーザーの多くは、絶え間なく更新と改善が行われている点を高く買っています。そして、更新がリリースされるたび、新機能や改善点がWordPress体験をどのように向上させるかを解説する有益なページも公開されます。
事例を見てみましょう
米国で急成長を遂げている企業上位100社(Inc.5000)のうち62%がWordPressを使用している(出典: Nelio Software)
ヒューストン動物園、オバマ財団、そしてトヨタのような大企業もWordPressを選んでいます。WordPressを利用する企業一覧はこちらで確認可能です。他にも、日本国内であればクックパッド、博報堂、東京大学、カカクコムなどの有名企業も名を連ねています。WordPressを使用した有名ウェブサイトはこちらでもご紹介しています。
WordPressを活用する14の方法
WordPressを使用するメリットや用途が分かったところで、WordPressの汎用性がわかる少し変わった活用方法もご紹介します。
1. ニュースポータルサイト
ポータルサイトを運営するには、ただニュースを配信すだけでなく、RSSフィードが必要になります。RSSフィードは長年使用されている技術ですが、未だ現役で、任意のリーダーでさまざまなフィードの情報を取得することができる仕組みです。WordPressは投稿フィードがデフォルトで組み込まれていますが、複数のソースからのフィードを表示したければ、WP RSS Aggregatorのようなプラグインを実装すれば、さまざまなRSSフィードを選んで表示することができます。良い例としては、WP News Deskが挙げられます。
2. 不動産管理システム
不動産会社向けには物件情報を管理するプラグインもあり、これによって、不動産デベロッパー、仲介業者、顧客をつなぐウェブサイトを構築することができます。顧客の利便性を考慮し、検索や絞り込み機能をそれぞれ実装することも。後ほどご紹介する決済機能を追加すれば、支払い管理も可能になります。おすすめプラグインは、EstatikとEasy Property Listingsです。
その他のWordPress不動産プラグインはこちらでご紹介しています。
3. Wiki、ナレッジベース、百科事典
WordPressでは、ニッチな分野の堅牢なナレッジベース、Wiki、辞書のような機能を備えた百科事典なども作成することができます。タグやカテゴリを作成するだけでなく、用語を関連付けたり、コンテンツを表示するためのユーザー定義のテンプレートを作成して、探している答えを見つけやすくしたりすることも可能です。多くの企業や開発者がHeroicプラグインのようなプラグインを使ってドキュメントを作成し、顧客からのお問い合わせに対応する手間を削減しています。
4. オンライン学習サイト
独自のオンライン学習サイトは、学習管理システム(LMS)ホスティングとWordPressを組み合わせて簡単に構築可能です。例えば、LifterLMSプラグインを使用すれば、魅力的なオンラインコースを作成、販売、管理することができます。LifterLMSの目標はオンラインでの教育の民主化。レッスンの作成、コースの構築、マルチメディアレッスンなど、さまざまなことを実現できます。先ほどご紹介したWP101は、LifterLMSを使ってWordPressのオンラインコースを提供しています。
5. 予約管理システム
弁護士、美容室、コンサルティング会社、医師などのウェブサイトには、顧客が利用できる予約管理システムが不可欠。WordPressなら、オンラインで予約を管理できるソリューションが多数あります。
おすすめプラグインは、Easy AppointmentsとBooking Calendar。ECサイトでは、WooCommerce BookingsとEDD Bookingsが人気です。
6. 請求書発行システム
NutcacheやFreshbooksのようなソフトウェアには、時間やプロジェクトを管理するためのさまざまな企業向けツールが揃っていますが、WordPressサイト上でそれを行うには、ベーシックですが、WP-Invoiceが役に立ちます。
このプラグインを使用すると、製品やサービスの請求書を作成して顧客に送信すること月できます。PayPal、Stripe、Authorize.netなどの支払いゲートウェイと統合すれば、サイト上で直接支払いを受け付けることも可能。さらに時間管理プラグインを追加すれば、ビジネスのあらゆる要件を満たすシステムを構築可能です。
また、WooCommerce PDF InvoicesやEDD PDF Invoicesなど、ECサイトで請求書を作成するための便利なプラグインも数多くあります。
7. 求人サイト
プラグインだけで求人サイトを立ち上げることも可能です。例えば、WP Job Managerでは、サイト上で求人情報の追加、管理、カテゴリ分けを行うことができます。アクティブインストール数は10万件以上、5つ星中4つ星の高い評価を得ています。訪問者側では求人情報の検索、管理、応募が可能で、企業側でも求人情報の管理(入力、編集、削除)を行うことができます。WP Job Managerの詳細はこちらをご覧ください。
8. 顧客管理(CRM)システム
WordPressサイトに顧客管理(CRM)モジュールを導入することも可能です。これによって、他社サービスを行ったり来たりする手間が省け、時間と費用の削減につながります。他にもたくさんのプラグインがあるため、クローズドなサービスを利用するより効率的かもしれません。
おすすめのCRMプラグインはこちらをご覧ください。初心者には、開発者による手厚いサポートを受けることができるWP ERPがおすすめです。
9. イベント管理システム
年間を通じて、複数イベントを企画するような業種にも理想的なプラグインがあります。例えば、WordPressサイト上でイベントを作成し、カレンダーと連携するのも楽々実行可能。おすすめのイベント管理プラグインはこちらでご紹介しています。ほとんどのプラグインは、iCalやGoogle カレンダーなどと完全同期することができます。
10. ビジネスディレクトリ
ビジネスディレクトリの作成には、Business Directoryプラグインがおすすめです。アクティブインストール数は2万件以上で、5つ星中4.5の評価を得ています。ローカルディレクトリを作成して企業をリストアップし、イエローページのようなリストを生成することができ、掲載を有料で受け付けることも可能です。有料版には、ビジネスを評価するモジュールや、Google マップとの統合などがあります。
11. プロジェクト管理システム
プロジェクトとそのサブタスクの進捗を効率的に管理するには、プロジェクト管理システムが必要です。TrelloやAsana、Githubのような単独型の製品は、特に開発者の間で人気があり(gitとGithubの違いはこちら)、WordPressサイトに同様の仕組みを実装できるのが理想的です。
これには、WP Project ManagerやKabanプラグインがおすすめです。
12. フォーラムサイト
フォーラムサイトは、過去に比べればその人気はやや衰えるものの、依然として気になる疑問に対する答えを探す人が多く集まります。WordPressでフォーラムサイトを作成するには、bbPressの出番です。WordPress.comを開発したAutomatticによる軽量なプラグインで、アクティブインストール数は30万件以上、評価は5つ星中4つ星。外観のカスタマイズも可能で、何より無料で利用できるのが魅力です。フォーラムプラグインについてはこちらをご覧ください。
13. クラウドファンディングサイト
WordPressでクラウドファンディングサイトも作成することも可能です。プラグインを使って、プロジェクトを設定し、支払いを受け取るPayPalやStripeなどの支払いゲートウェイと統合します。また、目標金額を達成した場合のみ課金される機能を有効化することも。おすすめのクラウドファンディングプラグインはこちらでご紹介しています。
初心者には、WP Crowdfundingがおすすめです。寄付を募る場合は、Giveプラグインが人気です。
14. SNSサイト
サイト内に簡易版Facebookのようなものを構築するなら、BuddyPressで実現可能です。ユーザーがプロフィールを作成し、投稿したり、他のユーザーと交流したり、コミュニティを作成したりすることが可能です。機能を拡張できるBuddyPress専用プラグインも多数あり、総じてサイト上にミニマルなSNSを作成したいにおすすめです。シンプルでありながら、優れたユーザー体験を提供することができます。
WordPressを選ぶべき理由は「優れているから」
WordPressは、世界中で高い支持を得ています。特定のコーディング言語を習得したり、あえて不自由な環境を選ぶ必要がある一部の開発者は、他のプラットフォームを選択する場合がありますが、ブロガーや経営者、顧客のプロジェクトに携わる開発者、本格的なECサイトの運営には、WordPressが間違いないでしょう。サイトを完全管理できるだけでなく、プラグインやテーマ、無料ツール、高度なメディアサポートなど、数々の恩恵を受けることができます。
この記事を通して、WordPressが選ばれる理由がお分かりになったはず。同じような疑問を抱いている方が周りにいたら、ぜひこの記事をシェアしてください。またご質問がありましたら、以下のコメント欄でお知らせください。
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